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3

そのあと、ぼくの手を繋いで王子様は森の出口まで連れて行ってくれた。

「あっ、寮だ!」
「ここまで来れば大丈夫?」


あれ?王子様は学校に行かないの?
こてんと首を傾けて、王子様を見つめる。


「ごめんね、今学校に悪い魔女がいてね。僕は王子様だから今行くと捕まって呪いをかけられちゃうんだよ。」
「!だ、だめ!王子様、見つかっちゃう!早く森の中に逃げて!
ごめんなさい、ぼくのせいでごめんなさい!」


あわあわとして、ぴょんぴょん飛び上がりながら王子様に逃げるように促す。
ぼくは背が低いから、飛んでも背の高い王子様をちっとも隠せない。


「大丈夫だよ、ありがとう。また学校でね。」


にっこり笑って、ぼくの頭を撫でてくれる。
大きな優しい手に撫でられて、嬉しくて顔が真っ赤になっちゃった。

「あ、王子様!」

帰ろうとした王子様を呼び止めて、きてきてと手招きする。
王子様は、ん?と僕の身長に合わせて屈んでくれた。
ぼくは、王子様の首に抱きついて、さっき王子様がしてくれたみたいに、ちゅっとほっぺにキスをした。
えへへ、王子様はがいこくじんだからほっぺにキスが挨拶なんだよね。
だから、ぼくもお返し。


「おうじさま、ありがとう。」



ふにゃんと笑って、走り出す。

「また学校でねー!」


「…くくっ、ああ、またな。オヒメサマ。」

ぼくが去った後、王子様がニヤリと笑ってつぶやいていた。


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