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4

「どこ行ってたのー!あんだけ僕のそばから離れないように言ってたでしょー!!」
「ご、ごめんなさいぃー!!」



寮に帰ると、ぼくの幼なじみの良平が仁王立ちで待ち構えていた。
くりくりのおめめで、さらさらの栗色の髪。お姫様みたい。言うと怒られるから言わないけど。
ちなみに、ぼくの同室者だ。
部屋に連れて行かれたぼくは、良平に雷を落とされた。
うう、昔から良平怒るとコワい。
お姫様みたいな見た目してるのに。言うと怒られるから言わないけど。(二回目)



怖くて怖くて土下座しながらぷるぷる震える。
すると良平が、ため息をついた。



「心配したんだよ。哲平は昔から小動物みたいにすぐちょこまかするんだから。
あのね、入学前にも言ったと思うけど、この学校は全寮制の男子校だから、男の子が男の子を襲ったりすることがあるの。哲平みたいなちっちゃいハムスターなんか、悪い狼に見つかったらぱっくり食べられちゃうんだからね!」
「お、狼さんはいなかったよ、王子様はいたけど」


僕が言うと、良平がおっきなおめめをさらにおっきくした。



「…まさか、親衛隊持ちに接触した…?このくそねずみ、なんてことを…いや、哲平がそんなことわかるわけないか…」



くそねずみってぼくのこと?
良平ひどいや。ぼく、ねずみじゃないもん。お姫様のくせに口が悪いんだから、そんなんじゃ王子様にげちゃうぞ!



「誰がお姫様だ、くそねずみ。すぐ迷子になるくせにチョロチョロチョロチョロしやがって反省してんのかコラ。
それにな、僕の王子様はこれっくらいで逃げ出すようなヘタレじゃねんだよ、ちゃあんと躾てあんだからね」
「ごめんなさいうそです二度と思いません反省してます」


ぼくの心を読んだ良平がぎろり、と睨んできた。こわいこわいこわい。
良平は4個上の、隣に住んでる大学生のお兄ちゃんと付き合ってる。
この学校に入学が決まったとき、鼻水垂らして泣きながら良平にしがみついてたっけ。



「やっかいなことが起きなきゃいいけどね」



良平がため息をついてつぶやいた。

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