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「…でも、俺もあいつのこと言えない…」


僕を抱きしめながら、真也がつぶやく。僕が顔を上げて見つめると、眉をよせて申し訳なさそうに笑っていた。


「証拠を掴むためとはいえ、創を盗聴してたんだ。本人からしたら気持ち悪いよな。ほんとにごめん。」


頭を下げる真也に、慌てて首を振る。だって、そうじゃないと僕はあのまま新に犯されていたかもしれない。盗聴器だって、カメラだって知らなかった。最悪、本当に監禁されていただろう。
…それに、真也がそうしてたって聞いても、新の時のように恐怖や嫌悪感は感じなかった。むしろ、そうしてまで僕を守ろうとしてくれたんだ。
その事実が嬉しい。


「…それだけじゃなくて、その…内緒にしてるのも嫌だから言うけど、盗聴器から創の声が聞こえると、嬉しかった。
あいつといるときの会話って、俺の話が多かったから。
そんな風に思ってくれてるんだって、嬉しくてずっと聞いてたくなった。」


そういえば、新には真也との関係を報告するように言われてた。
…僕、ずっと真也のこと散々いい人だとか優しいとか色々言ってたんだ。あれを全部聞かれてたなんて…!


恥ずかしくなって赤くなった顔を下に向ける。そんな僕を見て真也はくすりと笑っておでこにキスをした。


「あいつの言ったことは全部嘘だから。あいつに告白したとか、身代わりで付き合ってもらったとか。
俺、本当に創が好きだ。お前が好きで本気で告白した。付き合ってたときも、大事にしたくてなかなか手がだせなかった。泊まりに誘ったのだって、別にあいつにボロを出させようと計画したわけじゃない。
…本気でお前がほしくて誘ったんだ。」


真也が真剣な眼差しで僕をまっすぐ見つめる。


「…創、お前が好きだ。好きで好きで仕方なくて、あれだけ必死に追いかけたんだ。
信じてくれる?それとも、やっぱり…」


真剣に見つめながら告白する真也の体が小さく震えているのがわかる。
僕は真也の首に自分の腕を回した。



「信じる…!信じるに決まってるよ。だって、僕も真也が好きだから…!」



僕は、初めて自分の気持ちを真也に告白して泣きながらキスをした。
真也は驚いて目を見開いたあと、僕をきつく抱きしめて深く口づけを返してくれた。

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