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2

「軽い風邪だね。ゆっくり休んで、栄養のあるものを食べて2、3日休めば大丈夫。」


パニックになったみんなは、倒れた纏をベッドに寝かせ保険医を引き摺って連れてきた。
保険医は触診のため纏の肌に触れたとき、殺気を感じたという。



保険医が退室した後、子供たちは作戦会議。

「俺は会長だからな。ここは看病は俺だろう。邪魔になるからみんなは出てけ」
「何言ってるんだ!同室なんだから俺がいればいいだろ!お前等は自分の部屋に帰れよ!」
「何言ってるんですか、あなたたちに看病なんてできるわけないでしょう?ここは私が」
「俺、おかゆ作れるも〜ん。みんな帰っていいよ〜」
「「ぼ、僕たちは二人いるから便利だもんね!」」
「あはは、ここはやっぱりスポーツで体調管理の上手い俺だよね。」
「…」
「あっ、こら無口書記!てめえ何こっそり水換えに入ろうとしてやがる!」


誰が纏の看病をするかで、ぎゃあぎゃあと騒がしく揉める。


「…大丈夫ですから…」
「「「「「「お母さま!!!!寝てなきゃだめだ!」」」」


騒ぎを聞いて、纏がベッドから顔を出した。


「風邪なんて、大したことありません。おやつ、途中でしたね。ごめんね。君たちに移るといけないから、食べ終わったらみんな自分の部屋に帰ろうね。」


ふらふらと、みんなのおやつの準備をしだす纏。


「だ、だめだ!余計悪化したらどうするんだ!」
「そうですよ!あなたに何かあったら、私たちは…」
「…ありがとう。でもこれくらいで寝込んでなんか…」


「そう言って結果拗らせてたら意味がないねんで?」


玄関の方から、新たな声がした。
みなが振り返るとそこには。


「風紀、委員長…」
「遅なってすまんな、纏。ほら、スポーツドリンクと薬、あと纏の好きなプリン持ってきたで。お粥作ったるから、大人しく寝とき。こいつらの世話もちゃんとしたるから」
「晃…」


突如現れた風紀委員長。彼は大阪にある老舗の料亭の跡取り息子で、宝が転校してくると同時に修行の為半年ほど休学していた。


風紀委員長は、纏を抱き上げ、寝室へ向かう。子供たちもわらわらと後をついて行った。

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