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3

マッハで仕事を終わらせた俺は、猛ダッシュで食堂へ向かっていた。いやな予感がする。
食堂へついた俺は、急いで小暮を探す。


いた。
だが、小暮の横に余計なもんが引っ付いてる。
眉を下げ困った顔でぷるぷる震える小暮を、ニヤニヤと嫌らしい顔を近づけ肩を抱いている奴がいる。

「あの野郎…」

あの様子じゃ、太ももでも撫でてやがるな。尻だったら殺してやる!


俺はダダダと走り出し、


「っ西条おおおおお!!!!」
「グハアッ!」


そのまま、飛び膝蹴りをくらわせてやった。

ガシャ――ン!と大きな音を立て床に倒れる西条。突然の出来事に、周りから悲鳴が上がる。


「てめえ何度言ったらわかるんだ、小暮に手ぇ出すんじゃねえよ!腐るから触んな減るから見んなつうか病気になるから近寄んな!
小暮、小暮、大丈夫か?へんなことされてないか?怖かったろ、もう大丈夫だ、大丈夫」

小暮を抱きしめすりすりと頬ずりをする。
ああ、あいつが触れたとこも消毒しないと!保健室に連れて行こう、保険医がいなかったらそのままえっちしよう

「会長のけだもの!心の声がだだもれだよ!」

知らないうちに声に出てたらしい。隣にいた上村が叫んだ。
小暮が真っ赤になって震えている。

「うるせえ!大体お前何西条を小暮に近づけてやがんだ、ちゃんとガードしやがれ!」
「何言ってんの、俺めちゃくちゃ頑張ったんだよ!?でも風紀委員長、力強いんだもん、びくとも動かなかったんだよ!」
「役立たず!」
「ひどい!」


ぎゃあぎゃあ言い合っていると、西条がゆっくりと立ち上がり近づいてきた。くそ、意識がありやがったか。


「綾小路ぃ、人を病原体扱いするとはいい度胸じゃねえか。
飛び膝くらわせやがって、間違って小暮に当たったらどうするつもりだったんだ?
なあ小暮、こんなお前の事を考えないような男より俺の方が優しいぜ?鞍替えしちまえよ、テクだって俺の方が上だぜ?」


ニヤリと笑って小暮に近づこうとする。
どうやらあの告白練習の時、近くにいた西条はちょうどあの笑顔の『…す、き』を聞いていたらしい。
その後放置された小暮の泣きそうな顔をみて、何が何でも手に入れたい、泣かせたい。と、むらむらとS心が湧き上がり、ついでに俺にダメージを与えようと小暮に奴隷になるように命令したらしい。
つまりだ、こいつも小暮に惚れちまったと。


「ばかかてめえ、ちゃんと小暮に当たらんように細心の注意を払って攻撃したっつの。
それに誰が誰より優しいだと?どの面下げてぬかしやがる、小暮を脅迫してたくせにこの腹黒最低卑怯者が!」
「はっ、愛情表現だ、愛情表現!」
「お前の愛なんざいるか!それにな、テクだってお前とは段違いだっつの。小暮は俺とのセックスでイきっぱなしになって、『許して』って泣くんだからな!」
「かいちょのばかあああ!!!こぐちゃんのそんなこと暴露してどーすんのおお!!」


上村の叫びにはっとして周りを見渡すと、股間を押さえて前屈みになっている奴らが若干名。しまった!


「ほう、イきっぱなしねえ。ぜひ見せてもらいてえなあ、なあ小暮ぇ?」
「やめろ!想像すんな!」

舌なめずりをして肉食獣の目を向ける西条から、必死に小暮をかくす。

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