×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -




7

ちょっとまて、何だって?

「えと、一夜…、恋人って誰?」
「何言ってんの?和ちんしかいないじゃん。」


さっきまでの涙は完璧に引っ込んだ。
意味が分からない。なんで、恋人ってなに。え、俺いつ一夜の恋人になったっけ。


「一緒に寝ようって言ったときさあ、俺、和ちんに大好きっつったでしょ?和ちんもその後『俺も好き』って言ってくれたじゃん!お互い気持ちが通じ合ったってことは、恋人だよね?ね?」


唖然呆然。
ああ、確かに言ったさ。でもお前、あれは違うだろ。

「いや、あれはお前、え、ええ?告白になんの?えぇえ?」

混乱して、何がなんだかわかんなくて何て返したらいいのかわからない。
えと、あれ、とか意味の分からないことしか言えない俺を、一夜が急にじっと見つめる。


「…うそ。うそだよ、和ちん」


真剣な顔でそう言われ、ひゅっと息をのんだ。


…うそ。
その一言が俺の胸をえぐる。
恋人って言われたとき、よくわからない理由でもすごく嬉しかった。
一夜があの普通の掛け合いを告白だって言うなら、それで恋人だっていうならそれでよかった。

だって、それは俺がずっと欲しかったものだから。


「う……っ…」


さっき止まった涙が、またぼろぼろと流れ出す。

[ 21/283 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]
トップへ戻る