×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -




6

それから2ヶ月、俺と小暮は毎週火曜日の放課後、温室での猛特訓が続いた。


なかなかどうして大変だ。


まず、やはり身長が高いのでかわいい仕草上位の上目遣いができない。俺は180を越えるが、小暮は更にその上をいくのだ。顎を引いて、上目遣いをしてみてもらったんだか完璧にガン付けだった。


上目遣いは却下だ。



次に、頭を傾げるをやってもらったが、強面なので『殴ってもいい?』てな感じの仕草になってしまう。
そんな感じで色々試行錯誤したのだが、チワワ仕草はやはりどうにも小暮には合わなかった。

「難しいなあ〜」
「ごめん…」

今日も頭を抱える俺に、小暮が謝る。

「いやいや、お前が悪い訳じゃねーよ。俺も力不足。プロデュースしてやるなんてえらそうに言っといて役に立てなくてごめんな」
「ち、違う!綾小路は悪くない!俺のわがままに付き合ってもらって、ほんとに感謝してる。ありがとう」

ふ、と小暮が笑った。

強面だけど、不細工な訳じゃない。どっちかと言うと男らしいキリッとした顔立ちだ。
背も高いし、喧嘩だって強い。
むしろ、かわいい子たちからはモテる部類なんじゃないか?
ま、怖すぎて敬遠されてるんだろうけど

「…あのさ、一つ聞きたいんだけど」

そこまで考えて、前から思ってた疑問をぶつけてみる。

こいつは、俺に『好きな子』ではなく『好きな奴』と言い直した。
『そいつはかわいい子が好き』

つまり

「お前、ネコなの?」


小暮の顔が真っ赤になった。

[ 47/283 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]
トップへ戻る