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5

「よ、小暮。」

その次の日の放課後、俺は小暮を温室に呼び出した。
初対面から一週間、小暮にも自分で一応これはと思うかわいい仕草を考えてこいと宿題を出したのだ。

「どう?考えた?」
「あ、ああ、一応」

お、どんなの考えたんだ。すっげえ興味ある!


「じゃあ早速やってみようぜ」


俺が言うと、小暮はあからさまに緊張した。


「…あ、あの…やるってなにを」
「ん?そりゃお前が考えたかわいい仕草だよ。俺もこの一週間、チワワちゃんたちの仕草とか研究したんだぜ。
まずは実際やってみないと。俺がかわいいと思うかどうかが重要なんだろ?」
「で…でも…」

なんだよ。見てみないと判断の仕様がないだろうが。
しどろもどろと下を向く小暮にちょっとイラッときた。

「なに?お前が俺に頼んできたんだろ?そんなんで戸惑うくらいの気持ちなの?」
「!ち、ちが…だって…」


途端に泣きそうになってぷるぷる震え出す。


「…お、おれがやっても、わ、笑わないでくれるか…?」


ああもう、このバンビちゃんは!


「バカだな、笑うわけないだろ?お前が真剣だったから、協力してやろうって思ったんだぜ?俺、さすがに人が努力する姿を笑うなんて最低なことしねーよ」
「!ご、ごめん!」


途端に本当に申し訳なさそうに頭を下げる小暮。ほんとに不良なのかね、俺には子鹿にしか見えん。


「さ、始めようぜ」

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