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7

まじかよ。これは大問題だ。
さっきも言った通り、小暮はタチネコで言うと完璧タチに見られる。

小暮をネコにしようなんて、ほとんどの奴が遠慮するにちがいない。

「かわいい仕草で、好きな奴を振り向かせたいのか?」

てことはだ、いくら小暮がかわいい仕草で好きな奴を振り向かせようとしたって無理だろう。
なんせかわいい仕草がかわいくないのだ。


「…いや、振り向かせようとは思わない」


小暮は、はっきりとそう言った。


「わかってるんだ、俺がいくらかわいい仕草を練習しても、学園のかわいい奴らには到底かなうはずない。自分の噂だって知ってるし、俺みたいなのにそんな、だ、抱いてほしい、なんて風に思われるのもイヤだろうなって。
でも、ほんの一瞬でもいい、俺のことを嫌悪じゃない目で見てくれたら、その心に留めてくれたら、それだけで俺は生きていける」


遠くを見つめ、小暮がつぶやく。
その姿は、いっそ凛々しいくらいで。
…そんなにそいつの事が好きなんだろうか。


ズキリと。


俺は、そんな小暮を見て胸が痛んだ。

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