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俺は、まだ文句を続けるチワワちゃんの口にそっと人差し指をあてた。
「おしゃべりストップ。君のかわいい口はそんな事を言うためにあるんじゃないだろ?」
「綾小路さま…」
頬を染めてとろんとしてる。
うん、その方がかわいいよ。小暮の悪口を言うチワワちゃんはかわいくない。
『風紀も迷惑してるって、風紀委員長が』
チワワちゃんの先ほどの話を反芻する。
風紀委員長がそんな話広めてやがるのか?
風紀委員長は、その威風堂々とした振る舞いとクールな面で俺の次点、ランク二位の俺様何様風紀委員長様だ。なにかってえと嫌みったらしく絡んでくる。
向こうは勝手に俺をライバルと思ってるらしい。
俺、あいつきらい。
小暮と密会してるのがバレたらやっかいだな、なんてチワワちゃんに口づけながら考えた。
そして、その不安は的中することとなる。
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[mokuji]
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