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6

「疲れた…」


部屋に帰ったアキラはすぐにベッドに転がった。今日は1日、いろんな所で好奇の目にさらされ、心身共にかなり疲労していた。

目をつぶると、意識しなくてもここ最近の出来事が否応無しに思い起こされる。

崎田の態度。野々宮の言動。…そして、太陽のこと。


『なにしたの?』


崎田の言葉を聞いて発した太陽の一言を思い出し、ずきりと胸が痛む。…太陽は、俺が崎田に何かしたと思ったのだろうか。


『俺ならお前を心配するけどね』


次いで、野々宮の言葉を思い出す。
友人としてありがたい言葉だ。…そう、野々宮は友人だから、崎田と俺なら友人である俺のことを先に心配するだろう。
太陽と崎田は恋人同士だ。野々宮と俺の友人関係よりも濃い絆がある。そして、ただの幼なじみである太陽と俺よりも。
だから、太陽が崎田のことを真っ先に気にかけた所でそれが普通。


普通、なのに。


「…わっかんねえな…」


ごろりと寝返りを打ち、片手でぎゅうと胸を掴む。



なぜ、胸が痛むのか。
アキラは、答えのでない自分の感情に目をきつく閉じうずくまった。

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