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7

どれくらいの時間そうしていただろうか。部屋のインターホンが鳴らされ、アキラはふと目が覚めた。いつの間にか眠ってしまっていたらしい。

再び鳴らされたインターホンに、ゆっくりとベッドから起き上がり玄関に向かう。


「あっくん…」


ドアを開けると、泣きそうな顔をした太陽がいた。



「なに、どした?」



リビングのソファに座らせ、コーヒーを出してやる。アキラは同室者がいないため、気を使うことなく話ができる。太陽もこれ幸いとばかりに入学してから入り浸っていた。…今は、めっきり減ってしまったが。


「今日学校で、あっくんのことが一年ですごい噂になってて…」


マグカップを持ち、そわそわと目線が落ち着かない。しばらく沈黙したあと、太陽はきゅっと唇をかみ、何かを決意したように顔を上げた。

「あっくん、崎田となにかあったの?」

太陽の言葉に、頭を打たれたような衝撃が走り、目の前が真っ白になるのがわかった。


アキラはゆっくりとコーヒーを一口飲んだあと、ため息をついて口を開く。

「…大事な恋人に、何かされたんじゃないかと心配になって俺に聞きにきたのか。」

アキラの言葉に太陽が目を見開く。

「ち、ちが!違うよ、俺は…!」
「いや、いいんだ。昨日もお前、気にしてたもんな。恋人なんだ、当たり前か」

ふ、とどこか自嘲気味に話すアキラに、太陽がおろおろと慌てる。

「違うんだよ、あっくん!聞いて!」
「いや、いい。崎田に俺が何かしたかだったよな?何もしてないよ。昨日のはほんとに不慮の事故。前をよく見てなかった俺が上がってきた崎田とぶつかっただけ。あいつ、足痛めたんだな。今日学校で崎田に会ったら、あいつから『すみませんでした』って謝られた。お前にも俺から崎田が謝ってたって言ってくれって」
「あっくん!だから…」

そこまで話して、アキラは太陽ににこりと微笑んだ。

「お前がそんなに夢中になるなんてなあ。なあ、付き合うってどんな感じ?…俺も誰かと付き合ってみようかな」


そしたら、太陽の気持ちがわかるだろうか。


単純にそう考えて口にした言葉。だが、その言葉を聞いて目の前の太陽が無表情になったのに気付いた。


end

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