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2

「どーしたのー?最近よくぼけっとしてるね」


いつものように屋上でぼんやりしていると、一緒にいた野々宮が不思議そうに声を掛けてきた。

「うんにゃ、なんも。」

空を見ていたアキラは、くるりと体をフェンスに向け、何気に校庭を見た。

「…っ」

どくん、と心臓が跳ね上がる。
視線の先に、太陽ともう一人。

「お、一年話題のビッグカップルじゃん。」

アキラの視線を追った野々宮が、二人を見てつぶやく。

「知ってんの?」
「そらもちろん。二人とも一年の間じゃ有名だからね。特に崎田ってやつ、女みたいな顔してて、性格もおどおどしてしおらしいんだよ。男の庇護欲を掻き立てるってやつ?うるうるした目で上目遣いなんかされちゃったら、大概の男は落ちるだろうね」


確かに、遠目にもとてもかわいい顔をしているのがわかる。
仲良く歩く二人に、何だか胸がちくんと痛む。

「付き人さんは王子が心配?反対なのかな?二人のお付き合いに」

ニヤニヤ笑いながら冗談めかして言う野々宮に怪訝な顔を向ける。

「まさか。俺には関係ないし。お前こそ、気になるのか?やたら崎田のこと詳しいけど」
「そりゃ一応生徒会長ですから。話題の生徒は把握しとかないと。別に崎田には興味ないよ、計算高そうじゃない?そんな男って。」


肩をすくめて言う野々宮に、ふうんとだけ返す。二人はとても楽しそうに笑いあっている。


「気になる、といえばそうかな。二人にはうまくいっててほしいよ。俺のためにね」
「は?」
「なんでもなーい」


野々宮が意味深に微笑み、二人を見ていた。

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