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3

お昼は別になった日から、太陽は少しずつ普段も友人と過ごす、と俺といることが減っていた。とはいえ、俺といるときは変わらず俺にべったりなのだが。それから数日後、俺は社会科資料室に担任に頼まれた荷物を置いた帰り、チワワのようなかわいい男たちに囲まれ、空き教室に連れ込まれた。

「唐津せんぱい、薬師寺さまから離れてくれません?」

ばかやろう。あいつがくっついてきてんだ

「薬師寺さまにあなたがくっついてるから、崎田さまが悲しそうなんですよね。」
「崎田って、だれ?」

初めて聞く名前に、きょとりとして聞き返すとチワワたちは信じられないといったように顔を見合わせた。


「崎田晃さまです。僕ら一年の中でも一番かわいくて健気で愛らしい、一年の姫さまです。」
「崎田さまは入学してからずっと薬師寺さまに恋をしていらして、最近ようやくその思いが叶いお付き合いできるようになったんですよ!」


チワワから出た言葉に、耳を疑った。


『お付き合い』


じゃああれか。あいつが最近よくいるってのはそいつか。



友人、じゃなくて、恋人、だったのか。



初めて知らされた事実に呆然としていると、チワワたちが俺が話を聞いていないと思ったのか嫌悪した表情を向けてきた。

「大体ね、唐津せんぱいって薬師寺さまにはふさわしくないじゃないですか。見た目も平凡だし、色黒だし。」
「知ってます?唐津先輩、周りから『カラス』って呼ばれてるんですよ。」
「キラキラしたものが大好きで、真っ黒い自分にないものだからって集めたがるでしょ?薬師寺さまはキラキラしてるから、自分のそばに置きたがるんだって」
「だから、『カラス』。ふふ、ぴったりですよね。」
「カラスは嫌われ者なんだから、カラスはカラスらしく、残飯漁って皆に排除されちゃえばいいのに」
「あー、薬師寺さまと崎田さまの愛の残飯ね。かっわいそ〜」


こいつら、言わせておけば。
拳を握りしめ、怒鳴り返してやろうかとしたとき、教室の扉ががらりと開いた。

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