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2

ため息はつくものの、俺は自分のことより別のことが心配だ。

「お前、俺にそんな依存してて大丈夫なのかよ…」

余りにも俺べったりなため、こいつは一人で何かをすることがあまりない。こいつといて俺が嫌われることよりも、俺といるせいでこいつが何もできない奴になっているんじゃないかとそちらの方が心配だ。

「…このままじゃ、やっぱだめかなあ…」

お!ちょっとは考えるようになったか!
俺は俺でこいつの先行きを心配していたため、珍しく考えるようなセリフを吐いたあいつが、どういう意味でそう言ったかなんて知る由もなかった。



「あっくん、ごめん!今日からお昼一緒に食べれない!」


そう言ってあいつが俺のクラスにやってきたのは、それから数日後。太陽が入学してからというもの、必ずお昼にやってくるので学年が違うにも関わらず俺は太陽とずっとお昼を食べていた。
その太陽が、これからは別だと両手を合わせごめんとあやまる。


「なんで謝るの。いいじゃん、誰か一緒に食う奴ができたってことだろ?」
「…そ、うだけど…」
「じゃあいいじゃん。早くいけよ、友達待たすな」


何だか複雑そうな顔をする太陽を促すと、太陽は振り返りもせずに教室を出て行った。


「なあに〜?ついに王子さまは養育係から巣立つときがきたのかね〜?ちょっと寂しいんじゃないの?」

ニヤニヤ笑いながら、友人が肩を組んできた。俺はその手をたたき落としながらそいつを睨む。


「バカ言え。やっとあいつも個人で付き合える友人ができたんだ、ほっとしたわ」


絡んできた友人と昼飯を食いながら、ほんのちょっと胸がもやもやとした。

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