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幼なじみは王子さま

美形年下×平凡強気


攻…薬師寺太陽(やくしじ たいよう)
受…唐津アキラ(からつ あきら)

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「ちゃんと言えたか?」
「うん、えっとね、ちゃんとごめんなさい!俺はあっくんがいないとデートに行けません!って言ってきたよ!」
「…こんのボケがあああ!!!」



叫ぶと同時に見てた雑誌を思い切り投げつけてやった。
唐津アキラ17才。めでたく恨まれた人間が30人を突破いたしました。
ちーん。



原因はこいつ。俺がさっき雑誌を投げつけてやった、イケメン。
家が隣で、ガキの頃から俺の後ばっかりついて回ってたこいつは薬師寺太陽。俺の一つ下だ。ガキの頃からこいつは細っこくて色白で。ふわふわの髪にぱっちり二重。まるで童話のお姫様。比べて俺は色黒で平凡、きつめの顔立ちで昔から気も強い。
太陽は近所の悪ガキのかっこうの餌食。いじめられっこだった。俺は太陽が泣かされる度、そいつらに喧嘩をふっかけに行ってた。


中学までそんないじめは続いてたんだけど、太陽は二年生になった頃からぐんぐんと背が伸びだした。今じゃ180を越え、173という微妙な所で止まってしまった俺を余裕で見下ろす。

顔も若干男らしさが混じり、あっという間に王子さまの出来上がりだ。
太陽をずっといじめてたやつらは、好きな子ほどなんとやらだったんだろう。中性的で見るもの全てを虜にしてしまうような太陽に、手のひら返すようにちやほやしだした。
もちろん、女の子たちはみな太陽に夢中。
でも太陽は、扱いが変わり王子さまになっても俺から離れようとはしなかった。何に関しても俺にいちいち聞いてくる。誰かに誘われても、『俺と一緒じゃなきゃいかない』とか言ってくる。
結果何が起こるかわかるだろ?そう、俺は完璧に王子さまつきのじゃまな召使い扱いだ。
冗談じゃねえ。完璧逆恨みだろうがよ。


俺は、何だか全てがめんどくさくなって、太陽も大きくなったことだしお役ごめんとばかりに全寮制の男子校を受験した。ところがどっこい、なんと太陽までその次の年に入学してきやがんの。



まじげっそりしたね。
んで、入学してからも太陽は昔となんら変わることなく、俺にべったりくっついてきてるのである。

んで、最初のやりとり。全寮制な男子校であるここでは、同性愛者が多発する。そんな中で王子さまはやはりモッテモテなわけで。いろんな子から超アピられたりお誘いを受けるのに、その全てを『俺と一緒なら』と返事するのだ。
結果俺は皆に何様だと恨まれるわけで。やはりこいつといる限り俺は嫌われ者なんだとため息をついた。

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