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「おはようございます、副委員長」
「おはようございます白馬さま!」
「ご機嫌うるわしゅう、副会長さま」
「やあ、皆様。おはようございます。」
にこりと微笑み挨拶を返す風紀副委員長に、すれ違う皆が頬を染める。
ばしん!
優雅に歩く陸斗。突然背中を思い切り叩かれがくんと前のめりになる。
「おっはよ、風紀副!お元気?にゃはは。」
「おはようございます。高雅、叩くのはいけませんと今まで幾度も注意したはずですが?」
「あ、いたかった?ごめんちゃい。スキンシップじゃーん」
にゃははと笑い両手を頭の後ろに組む高雅に、陸斗はため息を一つ吐く。
「前も言いましたね?ズボンはきちんとウエストまで、ネクタイはきちんと」
「風紀副あいかーらずめんどいね。」
けらけらと笑う高雅のネクタイをぐいと引き、耳元に口を寄せる。
「…シャツは第一までボタンをきちんと閉めること。私のつけた所有印が見えていますよ。」
「…にゃっ!」
高雅は弾かれたように陸斗から離れ、真っ赤になり慌ててシャツのボタンを閉めてくるりと反転したかと思うとぱたぱたと駆け出して逃げてしまった。
ああ、なんて愛らしい。
陸斗はそんな高雅に優しく微笑み、颯爽と朝の見回りを続けた。
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