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「う…ん」
ごろりと寝返りをうつと、体に違和感。
…?なんだかほかほかあったかい。うとうとと夢心地に、近くにある暖かいものにすりすりとすり寄る。
「いーにおい…」
目を閉じたまま、すんすんと匂いをかぐ。
「ふふ、くすぐったいですよ。高雅」
ふいに自分の名を呼ばれ、高雅はこしこしと目をこすった。
「ほら、そんなに目をこすると傷がいきますよ。」
「あ…」
言いながら、優しく目尻にキスをする人物に、高雅は目をぱちぱちとしばたかせた。
「風紀副…」
「おはようございます、高雅。よく眠れましたか?」
優しく微笑み、自分を抱きしめている。よく見ると、陸斗は裸だ。高雅は、ちらりと布団の中を覗いた。自分も、裸。…しかも、どちらも下着をつけていない。
「あう…」
途端に恥ずかしくなって、布団に潜り込むと陸斗の胸元に顔をうずめる形になった。
陸斗はくすりと笑い、高雅を優しく抱きしめ髪にキスをする。
…あったかいと思ったら、風紀副が抱きしめてくれてたんだあ…
「うにゃ…」
高雅は嬉しくなって、もっと陸斗の胸元にすりすりとすり寄った。
ああ、なんてかわいらしい。
陸斗はごろごろと甘えるにゃんこにご満悦だった。
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