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8

舌を絡ませた後、ゆっくりと離れようとする陸斗を高雅が追いかける。

「やだ、やだ…もっとして…、もっと、ちゅうほしいよぅ」

ぐずぐずと泣きながらキスをねだる高雅の頬を優しく撫でる。
ああ、なんて愛らしい。
でも、まだ。言葉にはしたが自覚は足りないんじゃないか。一つずつ、確かめてやろう。
陸斗は親指で高雅の唇を撫でる。

「…キスが好きですか?」
「ん…、すき…」
「キスだけ?会長ともする?」

陸斗の言葉に高雅は目を見開き、その目を潤ませる。

「やあ!なんで、なんでそんなこと言うの?やだやだ、会長、さっきやだって言った!…ひっ、ひっく…、うぅ、やだよぅ…会長やだ、かいちょうきらい!
りくと、りくと!りくとがいい!りくとのちゅうが好き…!うえぇん…」

泣きながら必死に訴える高雅に、歓喜で体が打ち震えるのがわかる。

…あと少し。後少しだ。

「好きなのは私のキスだけですか?」


キスだけ?陸斗のキスだけ?


「…ふ…、ちが…、違う…。」
「じゃあ後はどこが好き?」


優しくキスを顔中に降らせながら、高雅に尚も問いかける。



「俺を触る手も好き…、俺を呼ぶ声も好き…、俺を見るその目も好き…。
…………りくとの全部が好き…!」


――――――――言った。


ついに、ついに言った。気付いてくれた!



「ご褒美ですよ、高雅」



陸斗は高雅を思い切り抱きしめ、キスをした。

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