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3

嫌がる高雅を、無理やり引っ張って生徒会室へ連れてくる。ふりほどきたいが、後ろの刺激で体に力が入らない。

生徒会長、吉岡充(よしおか みつる)。イケメンで、抱かれたいランキング一位の男だ。


チャラい見た目通り、よくかわいい子を連れて歩いてるのを見かける。
自分には何の関わりもないはずのこの男は、なぜ自分をここに連れてきたのか。高雅は、警戒心丸出しで吉岡を睨んだ。


「まあまあ、そんな警戒すんなよ。とりあえずお茶飲めよ。」


目の前に出されたお茶を、怪訝な顔で見つめる。

「…いらない。帰る。」
「白馬陸斗についての話なんだけどな。」

立ち上がろうとした高雅に、吉岡はニヤリと嫌な笑みを向けた。陸斗の名前を出され、一瞬体が反応する。

「…なに?」
「とりあえずお茶飲めよ。話はそれからだ。」


どうやら口にしなければ先に進まないらしい。陸斗のことが気になって、もう一度ソファに座り出されたお茶を一口飲んだ。


「いやあ、白馬陸斗なんだけどね。あいつ、きれいな顔してんじゃん?俺、いつか一発お願いしようと思ってたんだけどねー」

吉岡の話に、眉間にしわが寄る。なんだこいつ。気持ち悪い、陸斗を抱くつもりなのか。



「でも俺、今日見ちゃったんだよね。…理科準備室でさ。」
「…!」


吉岡の言葉に、心臓が一つ跳ね上がる。


…一つ。一つ?


どくん、どくん、どくん。


「…っ、は…」



おかしい。体が、熱い。息が上がる。


吉岡は、高雅の様子にニヤリと笑い、その首に指を這わした。

「…やっ…!」

とたん、ビリッと痺れるような快感が走る。自分の体の異変に、高雅は焦り立ち上がろうとして、そのまままたソファに倒れてしまった。


「いつも飄々とした平凡な不良がさあ、かわいくにゃんにゃん泣いちゃっててさあ。俺も、泣かしたくなっちゃったんだよね。
でもさ、無理やりって好きじゃないんだよね。だからどうせなら猫ちゃんからおねだりさせようと思って。…さっきのお茶、おいしかった?即効性の媚薬、いれてあったんだよね。」



吉岡の言葉に、高雅はぞっとした。

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