×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -




8

「でも、私はあなたと普段接点がなかった。どうしようかと考えていたとき、あなたはまた酔っ払って私の前に姿を現したんです。」


高雅は、何かを思い出すかのように顎に手をやった。


「私はまたあなたを部屋で抱いた。今度こそ逃がすまいと。…なのに、あなたはまた部屋から消えた。そして次の日普通に接してきた。
…そんなことがね、四回ほど続いたんです。私がどれだけ気をつけていても、ほんの一瞬の隙をついてあなたは消える。そしてその記憶を無くして私の前に現れる。
私は、もう耐えられなかった。どんなに捕まえようとしても、あなたはするりと私の手から抜けていく。好きなのに。伝えたいのに。
…耐えられず、今日…素面のあなたをどうしても抱きたくて…
――――あなたに私を思い出して欲しかった…。」


「…あれ、夢じゃなかったんだ。」


高雅が、きょとんとした声でなるほどというように言った。

「え…?」
「いやね、なぁんかお酒飲んだ後は絶対にさあ、風紀副が夢に出てきて気持ち良くヌいてくれるなー、おれいい夢見てスッキリできるなーって思ってたのね。」


高雅の言葉に、唖然とする。


「夢…?スッキリ…?」
「うん。だから最近結構なペースで酒盛りしてたんだけど。まさか風紀副とヤッちゃってたなんてびっくりだね。にゃはは」



けらけらと笑いながら言う高雅を、口を開けたまま見つめる。



「怒らないんですか…?私は…あなたを…」

[ 105/283 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]
トップへ戻る