感想 


24.神様のあしおと
 2010/06/13 - 辛口感想
ジャンル:現代学園青春
長さ:長編(連載中)


135ページまで読ませていただきました。


いいかげんなあらすじ:
高三の夏休み明け。
やる気のない男子高生・悟志のクラスに、勉強も運動もできる美少女・トウカが転入してくる。
強引で横柄なトウカにうんざりとしていた悟志だったが、トウカとの交流によって成長していく。


主人公が基本的に受け身であるため、物語の牽引力に欠けていました。
また、ヒロインが魅力的ではないため、感情移入しにくかったです。
しかし、心理描写がていねいで、流れも自然なため、読みやすい作品です。





いわゆる「ライトノベル的な」一人称で書かれている作品です。
物語や設定にクセはありませんが、文体で苦手意識を抱いてしまう人もいそうです。
私は結構慣れているので、抵抗なく読めました。


「高校の文化祭らしさ」が、とてもよく出ている作品です。
全体的に漂うグダグダ感や、文化祭でのクラスの団結力、片付けの面倒くささなど、
身に覚えのある要素が、ふんだんに詰め込まれています。

しかし、いまいち作品の世界にのめり込めませんでした。
作品に対して懐かしさを覚えたり、「自分もこんな青春を送りたかった!」と、死にたくなったりしないのです。

まず、作品の方向性がなかなか見えてこなかったことが、第一の原因として考えられます。
主人公が恋愛に対して受け身であるため、主人公がなにをしたいのか、よくわからないのです。
中盤を過ぎるまで、なにがストーリーの軸になっているのかわからなかったため、読むことに没頭できませんでした。
また、「先が気になる」という物語の牽引力にも欠けていました。


第二の原因としては、登場人物に感情移入しにくかったことが考えられます。
心理描写はていねいですが、ヒロインであるトウカが魅力的ではないため、
トウカを好きになる主人公を、理解できなかったのです。

主人公が自分のために何かしてくれるのは当然だと思っているような、トウカの横暴な態度に、非常に苛立ちました。
また、トウカに対して本格的に怒らない主人公に対しても、苛々が募りました。
特に、文化祭中のトウカには、胃が締め付けられるくらい腹が立ちました。
キャラは立っているのでしょうが、トウカのせいで、読むのが辛かったです。


細かい部分が粗かったせいで、あまり上手な文章には見えませんでした。
時間の経過を「〜数分後〜」と挿入するだけで済ませていたり、
グダグダとした長文が多かったため、手抜きしているように見えました。

また、冒頭で、トウカの性格を特徴付ける具体的なエピソードを省かれていることにも、悪い印象を受けました。

しかし、文章自体は読みやすかったです。
トウカ以外の人物の外見描写がないことが気になりましたが、それ以外の描写は丁寧で、好感を覚えました。
心理描写が特にていねいだったため、ストーリーの流れも自然でした。

あと、メインヒロインではありませんが、美希はかわいかったです。

鈍感男主人公の学園恋愛ものが好きな方に、オススメな作品です。


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