薄暗い部屋の中で、乃愛は大きな瞳を丸くし数回瞬きを繰り返す。

俺の言葉の意味を理解していない彼女は、不思議そうに首を傾げた。
口許にべったりと付いた唾液を拭い、自身の唇をなぞる。

「咲…眠れないの…?今日は一緒に寝るの…?」

当然普段から別の部屋で眠りにつく俺が、深夜に乃愛の部屋にいることはない。
寝ぼけた思考で彼女はいつもとの違いを察すると、柔らかな唇を指で摘む。
先程の行為から、唇が気になって仕方ないらしい。

「…さっきの、なに…?」

『何って、キス』

「キス?おでこにするやつ?」

無垢な彼女に、性的な事は何ひとつ教えてはいない。
理解していることと言えば、動物の雄と雌が交尾を行い繁殖する事ぐらいだろう。

人間がそれに当たる事など、彼女は知らない。

身を持って、経験するまでは。

狭い箱の中では、俺の与えたものが彼女の知識の全てなのだ。







『さぁ、乃愛。
俺の為だけに生きて、いい声で鳴いて』

バサッと掛け布団を乃愛の体から引き剥がすと、ギッ、と大きくベッドを軋ませ、彼女の体に馬乗りになる。

「っ、やっ…、咲っ…動けないっ…!どいてっ」

『優しくするんじゃ、つまらないだろ?乃愛が嫌がる事しないと』

「咲っ…やだっ、なに……怖いっ…」

『…じゃあ、もっと怖いこと、しよ』


ブチ、ブチっと乃愛の衣服を強引に引き裂くと、外れたボタンが数個床に弾け飛んだ。
左右に引き裂かれた衣服から、小ぶりながらもしっかりと実った二つの膨らみが顔を出す。

今まで見せた事のない俺の姿に、乃愛はいよいよ恐怖を感じ始めた。

壊れものに触るように、今まで大切に育てた少女。





暴力と言う名の性行為で、彼女を壊す。







今日俺は、彼女を穢す。






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