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それは長期の計画だった。
彼女を買ったのは、俺が17の時だった。
父親に連れられた裏売買の店で、彼女を見つけた。
商品となる人間の身元などは知らない。
捨てられた子供であったり、誘拐なんかもあるのかもしれない。
『あれが欲しい』
呟いた言葉の先にいたのは、小さな少女。
繊細な顔立ち、透けるような白い肌。
純真無垢な少女の瞳には、恐怖と不安が入り混じっていたと思う。
当時8歳。
まだ穢れを知らない。
それが俺の欲望を掻き立てた。
彼女の名前は乃愛(のあ)
幼い頃に俺が飼っていた、死んだ愛猫の名前。
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