人を買うのは、それが初めてだった。



人身売買。
金持ちの道楽から行われるその非道な行為は、反吐が出る程嫌になる。

裕福な家庭に生まれた俺は、何不自由なくぬくぬくと育った。
歪んだ両親に、異質な屋敷。

使用人の他に、数人の奴隷が屋敷内に存在する事も知っていた。
まだまだ幼い顔立ちの少女が、奴隷と称した肉便器。
父親に飼い慣らされたおこぼれに、食い付いた事もある。


それでも埋まらないのは、躰中を駆け巡る歪んだ欲望。

クズだと思った両親の、薄汚い血が俺の中にはしっかりと流れていた。



結局はそう、俺も同じ人種。








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