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乃愛と俺を隔てるものなど何もない。
完全に繋がった結合部を見つめ、俺は口許を歪めた。
8年もの間、この日の為に乃愛を育ててきた。
苦痛に泣き濡れた顔も、俺の手によってこじ開けられた躰も、すべて望んでいたもの。
初めて性行為を知った日のような快楽が、それ以上の悦びが、俺を満たしている。
迷うことなど何もない。
びっちりと根本まで彼女の中に埋まった自身がきつく締め付けられる感触に、俺は思わず眉間に皺を寄せた。
『乃愛、痛いのか…?』
痛みのショックで声を発することすらできず、とめどなく流れ続ける涙が俺の言葉を肯定する。
小さな呻きのような声が喉から絞り出るように時折漏れては、彼女の苦痛を知らしめた。
『…いい子にしてたら優しくするって、言ったのにな』
狭い膣内では引き抜くのも容易ではない。
俺は自身が乃愛の躰に馴染むのを待った後、ゆっくりと腰を引いた。
「っ…、あ、…や、」
その動作だけで乃愛は躰を震わすと、恐怖に目を見開いた。
『…悪いな乃愛、やめてやる気はないんだ』
「っ、あっ、いやぁっ…!いた、いっ、いやっ…さくぅ…」
膣の入り口まで引き抜いた俺自身を、再び乃愛の奥目掛けて突き刺していく。
乃愛は痛みに躰をびくびくと小さく痙攣させ、俺から逃れるように身を捩った。
彼女の中に沈む温かい感触が、途方もない快楽を呼び起こす。
中を堪能するように何度かゆっくりと深い抜き差しを繰り返すと、乃愛の膝を折り更に奥へと欲望を突き立てた。
「うっ、あ、」
最奥を犯すようにそのままの姿勢で前後に動き、彼女の顔を覗き込む。
耐えるように目を固く閉じて唇を噛み締めながら必死に俺の欲を受け止めている姿は、いちいちこちらの興奮を煽ってくる。
『…乃愛、俺を見るんだ』
「っ…んっ、んっ」
その言葉に乃愛は素直に薄っすら目を開くと、苦しそうに呼吸を乱し俺の動きに合わせて声を漏らした。
『…どんな感じなんだ、乃愛。俺と繋がってるのが分かるか?』
「は、あっ、っ…、さ、くっ、」
『痛みで何も分からないのか?』
「っ…、あ、あっ、咲っ…、中にい、るっ」
『…そうだよ。乃愛の躰が俺の形を覚えるまで、今日はずっとこうしてるよ』
言葉を理解しているのかいないのか、乃愛は瞳を揺らして呼吸を乱した。
永遠にも思える程の痛みと恐怖が彼女の中を支配している。
この先俺を映す彼女の瞳は、常に恐怖に染まっているのだろうか。
『…大丈夫、時間はたっぷりあるんだ。乃愛が気持ちよくなれるまで、何度だって繋がろう』
俺は苦痛に呻く乃愛の首筋に唇を寄せると、透き通るような白い肌に吸い付いた。
「っ…あっ」
強く吸われた彼女の肌にはくっきりとしたいくつもの紅い痕が残り、俺の支配欲を満たしていった。
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