「っ…」

乳首に吸い付きねっとりと舌で転がすと、乃愛はびくりと躰を弾ませ身震いした。

感じたことのない刺激に恐怖の色を滲ませる。

「あ…、や、ぁ…」

俺の肩を掴み、視線をさ迷わせながら天井を見ている彼女の目尻を涙がつたう。

柔らかな舌が彼女の乳首を包み込み、もう一方の乳首を指で摘まんで刺激すると口から甘い吐息が漏れ出した。

「っ…あっ、さ、く…へ、変っ、それ、やだっ…」

『…乃愛、ちゃんと感じてるんだ。いつの間にこんなに、女になってたんだろうね』

「あっ、やぁっ」

ちゅうっときつく乳首を吸い上げ、乳輪をなぞるように舐め上げる。
乃愛の躰がぶるりと小さく震え、太腿を無意識に擦り合わせた。

『こっちも触ってあげる』

俺は静かにそう呟くと、途中までボタンの外れた前開きの白いワンピースをぶちぶちと躊躇いなく引き千切った。

その暴力的な行為に乃愛は短く息を何度も吐き出し、恐怖に言葉を失う。

露わになった白い柔肌が薄暗い部屋の中でもはっきりと分かり、乃愛の艶めかしい肢体をより一層際立たせた。


『…何も知らない、誰も知らない。乃愛のこの躰を穢していいのは、俺だけなんだよ』


口許を歪めて乃愛の躰を隠す最後の一枚である下着に手を掛けると、するすると足から引き抜いていく。


「あ…さ、く…、怖い…怖いっ」


抵抗することなく脱がされた下着を無造作に床に落とし、泣きながら訴えかける乃愛の顔を覗き込む。

『…乃愛は俺のこと、好きじゃないの?』

俺の問い掛けに乃愛は真っ赤に染まった目を僅かに見開くと、首を横に振った。


「す、き…、咲のこと…すき…、すき…」

『……俺も、乃愛が好きだよ。好きだから、乃愛の全部が欲しいんだよ』


宥めるようにそう発すると、乃愛は小さな唇をきゅっと噛み締めた。
躰を小刻みに震わせ、涙に濡れた瞳を揺らしながら真っ直ぐに俺を見つめてくる。


『…俺の為に、我慢できるね』


残酷なことを口にして、俺は笑みを作った。

乃愛が俺に逆らわないことも、俺のことを好きで仕方がないことも、全部分かったうえで口にする。


……そういう風に育ててきた。


乃愛の瞳から涙が一筋溢れると、彼女は俺の言葉の意味も分からないまま静かに頷いた。





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