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荒い息遣いが、室内に響き渡る。
雄史の手により絶頂に達した柚那は、呼吸を整えるように肩で息をし、涙でぼやける視界の先の人物を見つめた。
「んっ…」
ちゅぷっと音を立てて膣内から雄史の指が抜かれ、濡れた指先が柚那の口許へと運ばれる。
『ん、舐めて』
その言葉につられて口を開くと、差し出された指先をペロペロと舐める。
絶頂の余韻からぼんやりとする頭では、最早雄史を拒む思考が働かない。
『…武藤、上条さん見て』
雄史の言葉に促され、ソファに座る上条へと柚那は顔を向けた。
上条の鋭い瞳と目が合い、体の奥が熱くなる。
彼は相変わらず二、三本目の煙草を吸いながら、行為を中断させる素振りは見せない。
それどころか、他の男に体を暴かれていく柚那の姿を、楽しそうに眺めていた。
「―…っ…!?」
『そのまま、上条さん見てろよ』
「っ…やっ、雄史っ…!」
いつの間にか雄史の体は柚那の両足の間に捩じ込まれ、熱く高ぶる肉欲を濡れそぼる秘裂にピタリと押し当てていた。
『…なぁ、彼氏の前で他の男にヤられる気分ってどんな?』
「や、やぁっ、雄史っ…お願いっ、やめてぇっ…!」
『嘘つくなよ、やめてほしくない癖に。
お前のここ、どんどん吸い付いてくんだけど』
「んっ、っ」
『挿れてやるから、ちゃんと上条さん見ろよ』
くちゅくちゅと音を立てて自身を上下に滑らせると、グッと膣口へと狙いを定めた。
「あっ、あっ…だめっ、だめぇっ…、上条さんっ…!
―…あっ、んんっ…!」
柚那の叫びも虚しく、熱い欲望は膣口を押し広げ、ズプッと侵入を開始した。
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