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「やっ…、見ないでっ…」
上条以外の男に、裸を見られるのは初めての事。
目の前で呆然と立ち尽くす雄史の姿に、柚那はギュッと瞳を閉じた。
『…もう濡れてんだろ、柚那』
「あっ…だめぇっ…」
プチッと外された制服のスカートのホック。
膝長けのスカートはバサッと音を立てて柚那の足元へ落ちた。
胸を露出し、下着とストッキングのみの下半身。
その霰もない姿に、ごくり、雄史は生唾を飲み込んだ。
見たくもない光景の筈が、足がその場から動かない。
柚那の厭らしい表情に、完全に釘付けになってしまった。
「んっ、あっ…」
太股を撫でる上条の手が、ストッキング越しに秘裂をなぞった。
熱を持ったそこは、湿り気を帯びているのが、布を通して伝わってくる。
『藤井…コイツ、お前に見られて濡らしてるよ』
「やぁっ…!ちがっ…ぁっ、んん…!」
『何が違うんだよ、見られて興奮してんだろ。淫乱女』
立ち上がった乳首をぐりぐりと指で捏ね回され、耳元で言葉に攻められる。
柚那は堪らず足を擦り合わせ、すがるような潤んだ瞳を目の前の雄史に向けた。
『…どう、分かった?淫猥な女なんだよ、コイツは』
そう言って上条はニヤリと口角を上げ、雄史と視線を合わせた。
『ほら』
「きゃっ…!」
突如ドンッと勢いよく背中を押され、柚那はベッドに倒れ込む。
訳も分からず困惑する柚那を見て、上条は鬼畜に微笑んだ。
『藤井、相手してやれよ』
『え…?』
「やっ…上条さんっ…!何言ってっ…」
『コイツが好きなんだろ?
だったら俺から、奪ってみろよ』
上条の言葉に、つぅっと雄史のこめかみに汗が流れた。
“奪ってみろよ”
その言葉が、雄史の脳内を侵略する。
ゆらり、ベッドで不安気な瞳をする柚那の方へと、雄史は足を進めた。
『…武藤、ごめん』
「い、いや…、雄史…だめっ…」
ギシッと深く軋むスプリングの音と共に、柚那の体は深くベッドに沈んだ。
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