２６
「あ…っ」
二本の指が探るように肉壁を擦りながら溢れる愛液を潤滑油にぬるぬると滑ると、蓮は小さく声を漏らして浴衣の袖を握り締めた。
膣内で指が動く度に弱い箇所を掠めては通り過ぎ、火照った躰から汗が滲む。
どこが一番弱いかなんて知り尽くしているはずなのに、宮藤の指は卑猥な水音を響かせて中をかき混ぜ、蓮が反応を示す箇所を絶妙に避けている。
「ん…、ぁ、あっ」
みっちりと根本まで埋まった指がいいところに触れる度に、ぴくっ、と小刻みに下半身を震わせ肉厚な膣内がうねる。
無意識にきつく締まる内部で窮屈そうに指がばらばらに動いては、あらゆる場所を刺激されてじんわりと奥から熱が溢れ出した。
徐々に高ぶる熱はさざ波のごとく押し寄せて頭の芯まで蓮を快楽の虜にしていくというのに、肝心なところで指はするりと強い刺激を逃してしまう。
短く息を荒げてソファの上で身を捩った蓮が涙の溜まった瞳を恨めしげに宮藤に向ければ、その視線に応えるように膝や太腿に唇が触れた。
優しく焦らすような宮藤の愛撫に、とろとろに解れた膣ひだが柔らかく指へ絡みつく。
「ぁ、あっ、せんせ、そこ…っ」
「んー…、ここがいいって？」
ゆっくりと入り口まで指を引き戻して軽い前後運動を繰り返し、ざらりとした膣の上側を押し上げると、蓮は僅かに腰を反らして太腿を痙攣させた。
「ひっ、んっ…そこっ、すご、いっ…」
二本の指がくいっと曲がって敏感な箇所を擦り、焦らされた分だけ強い快楽が躰中を電流のように駆け巡る。
刺激に弱いスポットをゆるゆるとした動きで重点的に攻めたて、蓮の口から漏れ出る声が甘く蕩け始めたと分かると、いよいよ限界が近付いてきていることを察した宮藤はソファをギシッと軋ませた。
革のソファの擦れる音を響かせ再び蓮の両脚の間に割って入り、触ってくれと言わんばかりに赤くぷっくりと膨らんだ陰核へと舌を這わせる。
「ふあっ…！」
唐突に訪れた激しい痺れに蓮の躰は大きく弾み、宮藤の指を呑み込もうと蠢いた内部がひくっと収縮した。
「あっ、はぁっ…、ぁあ、だ…だめ、だめっ…」
いやいやと首を横に振りながら、全神経が下腹部に集中していく感覚が蓮を襲い、目尻に溜まった涙が耳へと伝い落ちた。
包皮から顔を覗かせた陰核を口に含んで舌で転がされ、指の腹でいいところを押し上げながら前後に擦られるのだから、昇り詰めるのも時間の問題だった。
「ん、く…っ、ぁ、あ…、やっ、イッちゃ…うっ」
唇を噛み締め逃げるように腰をくねらせるが、宮藤に片脚をがっしりと掴まれどうすることもできない。
その間も容赦なく舌と指が内側からも外側からも蓮を追い詰め、目の端にチカチカと火花が散った。
「――ッ、ん、あっ…、ぁ…――ッ！」
唇と舌で陰核を挟み込んで吸われた時には、高まった躰は込み上げてくる絶頂に抗うこともできずに一気に達した。
頭の中が真っ白になり、びくん、と震えた躰が反り返る。
「ぁ…は…あっ…」
ぽろぽろと涙を溢して息を荒げた蓮は、震える脚を力なく広げてとろりと瞳を垂れ下げた。
ちゅぷっと音を立てて引き抜かれた指にも「んっ」と小さく声を漏らし、絶頂の余韻に浸る。
「…満足したか？そろそろ戻らないとだぞ」
躰を起こした宮藤が唇に付着した愛液を舐め取りながら、今だにはっきりとしない意識で視線を彷徨わせている蓮の頭を優しく撫でた。
「せんせぇ…」
「なんだよ」
「……もう、終わり…？えっち…しないの…？」
不思議そうに涙に濡れた瞳を向けてくる蓮を見て宮藤は苦笑すると、捲り上げた状態のままになっているスポーツブラを丁寧に直してやり、いつの間にか蓮の脚から抜け落ちていたショーツを拾い上げる。
「したいのは山々だが、残念ながら時間もなければゴムもないからな」
そう言ってショーツを蓮の手に持たせ、納得がいっていない不満顔の彼女の顔を覗き込む。
「…そんな顔すんなよ。明日、学校が終わったら家に来るか？月曜は休みだろ」
宥めるような宮藤の言葉に蓮はぴくりと反応したかと思うと、すかさず首を勢いよく縦に振った。
「行くっ！行きたい…！」
「外泊の許可が親から下りたらだぞ」
「ちゃんと確認する！」
ほとんど裸の状態で躰を起こした蓮は、きらきらと目を輝かせて手にしたショーツを握り締めた。
思いがけず泊まりの約束ができたことにより胸を高鳴らせ、明日行われる二日目の文化祭のことなどそっちのけで、メインは完全に宮藤の家にお泊りへと切り替わった。