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目の前に差し出された指をぱくりと口に咥えたことであからさまに表情を険しくした宮藤に対し、蓮は素知らぬ顔で濡れた舌を丁寧に絡ませながら指先を舐めた。

「…舐めろなんて言ってないだろ」

不機嫌そうな声の温度で呟かれたところで、口に含んだ指を離す気はない。
自分の手とは違う、大きくて骨ばった手の指先までも好きだということを、思い知ってもらわなければ。
服を脱がされていくその段階から既にこちらは下腹部を熱くしていたのだ。文化祭の準備期間中にくらったお預けが響いている。

裸にまでされてあの日のようなお預けは嫌だとばかりに蓮が指先にちゅうっと吸い付くと、短く舌を鳴らした宮藤によって二本の指がぐっと奥に押し込まれた。

「ん、っ」

「そんなにしゃぶりたいならしっかり咥えてろ。お前の行動はいちいち予想外で、我慢すんのも一苦労だ」

「ふっ、あ…っ」

苛立ち混じりの言葉のあとに剥き出しの乳首に吸い付かれ、蓮は唐突に訪れた痺れにビクッと躰を弾ませた。
弱いと分かっている右側の乳首を舌で転がされ、口に咥えた指を舐めている余裕なんてものは忽ちなくなった。

「んぅ…っ」

反対側の乳首までも指で摘ままれた時には思わず宮藤の二本の指に歯を立て、それの仕返しとでも言うように乳首を甘噛みされた。
こうなることを望んで宮藤を挑発したのだが、いざ久しぶりに躰を愛撫されると堪らない。
気持ち良さとじれったさに加え、蓮の舌を挟み込んで撫でる宮藤の指先がなんだか卑猥で、ぞくぞくとした快感が下腹部を痺れさせた。

「は…っ、せんせぇ…」

「…なんだよ、もういいのか?」

ぬるぬると舌を滑る指をなんとかしてほしいと宮藤の右手を両手で掴んで懇願するように見上げれば、何もかも見透かした瞳を向けられ悔しくなった。
我慢するのも一苦労なんて、嘘だ。
相変わらずな余裕の笑みを浮かべる姿は、とても何かを我慢しているようには見えない。

上着とネクタイは身に付けていないが、文化祭の今日も宮藤はいつも通りスーツ姿だ。
自分だけ裸にされて、欲情して、馬鹿みたいだ。

「せんせ…、もうっ、いいから…、こっちも…早く…っ」

馬鹿みたいだなんて思っていても、蕩けた躰ではもうそんなことはどうでもいい。
蓮は口内に押し込まれていた指が離れて自由になると、ゆっくり脚を左右に開いて宮藤を誘った。
口を開いた蜜壷からとろりと蜜が溢れ出し、物欲しそうにひくついている。

「…だめって言ったり欲しがったり、忙しい奴だなお前は」

「先生が、確認するって言ったっ…」

「隅々まで…、だもんな」

宮藤は自分が言ったことを確認するようにそう言葉にすると、蓮の両脚を抱え込んで蜜が溢れる陰部に顔を近付けた。
息がかかるほどの至近距離で恥部を覗き込まれ、蓮は羞恥に頬を熱くする。

「垂れてるな。これじゃあ浴衣が汚れるぞ」

「やっ、だめっ…」

「じゃあ、汚れないようにしてやらないとな」

「っ…あっ」

蜜を掬い取るように柔らかな感触が割れ目を這い上がると、掴まれている両脚が嬌声と共に弾んだ。
躰を突き抜けた甘い痺れに何が起こっているのかと宮藤を見れば、左右に開かれた脚の間に顔を埋めている。
状況を理解した時には生暖かい舌が膣口の周辺をなぞり、僅かに膨れた突起をやんわりと包み込んだ。

「ひっ、ぁ、やぁっ…、き、汚いからっ、せんせぇ」

一際敏感な箇所を舌で上下に擦られ、まだ育ちきっていない膨らみを弄ぶ。
宮藤の舌が這い回る度に蓮の太腿は小刻みに震え、じわりと押し寄せる快楽に躰の奥から熱が込み上げた。
蓮の意思とは関係なくひとりでにぱくぱくと開閉する膣口を指で割り開けば、すべて曝け出された内側から蜜が厭らしく滴り、尻を伝い落ちる前に宮藤に吸い上げられた。

「あっ、んんっ、っ…、な…舐めるの、やっ…」

「…こっちの方がいいのか?」

「あ、うっ」

止めどなく溢れる蜜を塗り広げるように宮藤の指が秘裂を撫でると、ぬぷっ、と二本の指が第一関節まで蓮の中へと沈み、入り口付近を擦り上げる。
そのまま浅いところを指が行ったり来たりと滑り、気持ちいいのともどかしい感覚が混じり合って蓮を攻めたて、息を荒げながら宮藤へと視線を送った。

「せんせっ」

「なに」

「意地悪っ…しないでっ…」

「そんなつもりはねーけど」

「やっあ、そこばっかり…っ」

「慣らしてやってるんだろ」

何を求められているのか分かっていながら楽しそうに浅く指を出し入れする宮藤の様子に、蓮は涙目になって唇を噛み締めた。
高揚した今の状態で、もうこれ以上我慢などできない。

「せんせぇ、おくっ…奥がいいっ、奥までっ、してっ…、もっと…っ、んんっ…!」

言い終える前に入り口を撫でていた二本の指が膣を押し広げるように奥まで埋まると、待ち望んでいた強い刺激に蓮は腰を浮かせた。
潤った厚い肉壁がきゅうっと宮藤の指をきつく締め上げ、無数のひだが絡みつく。

「…浅見、そんなに締めるな。動かしづらい」

「あっ、ぁ、分かんな、いっ…、やめちゃ、やだ…っ」

「ったく…、お前といるとヤリたくなるんだよ」

「す、するっ、したいっ…、先生の、ほしいっ」

顔を火照らせ喘ぎながら絞り出された言葉に宮藤は眉を寄せて口の端を吊り上げると、蓮の中に沈んだ指をゆっくりと動かし始めた。



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