17


「っ…あ、ぁ、せんせ、」

両手を掴まれたことで漏れ出した蓮の喘ぎは、それでも控えめに抑えられていた。
悩ましげに眉を寄せ求めるように宮藤を見つめるその姿を見て、思わず下半身に熱が走る。

ただの生徒だと言い聞かせてきた相手に、今では興奮させられている。
純粋に自分だけを求めてくる瞳が、宮藤に感じた事のない感情を植え付けていく。

「…浅見、悪かった。そんなに我慢しなくていい、少しぐらい声を出したところでバレやしない」

「は、ぁっ…せんせ、せんせぇ…、奥っ…へんっ、おかしく、なっちゃうっ…」

「…なればいいだろ、おかしく」

「あっ…!」

言うなり宮藤は掴んでいた蓮の両手をソファに押し付けると、不意に乳首に吸い付いた。
唐突に訪れた違う刺激に驚いたように蓮の口から甲高い声が飛び出すが、宮藤はその様子を一瞥しただけだった。
乳輪を円を描くように舌でなぞり、口に含んだ先端を舐め上げながらそのままゆっくりと腰の動きを再開させる。

ぐいぐいと奥を突き上げ、もう一方の胸にも同じように吸い付いた。

「ひゃっ、あ、やっ…、あぁっ」

「右の乳首の方が好きなのか」

「っ…あっ、やぁ、せんせぇっ」

ひと際反応の良かった右の乳首へと優しく歯を立て、ちゅうっと吸い上げる。
宮藤の言葉を肯定するようにして膣の奥側が狭まり、深くまで埋まった肉欲の先端部分をきつく締め上げてくる。

「っ…、」

蓮の中が収縮する事で、宮藤は眉間に皺を寄せた。
最初から分かっていた事だが、彼女の中は予想していた以上にすべてが良い。

中のひだがうねるように絡み付き、粘膜が密着しながら吸い付いてくる。
今まで何人もの女性と性交渉をしてきた宮藤だが、挿入しているだけでここまで強い快感を得たのは初めての事だ。
所謂名器と呼ばれるものなのか、相性の問題なのかは不明だが、良すぎるあまりに長持ちさせるのも難しい。


…ほんとこいつ、なんて奴だ。


翻弄されている。
とことんペースを狂わされ、苛立ちすら覚える。
そして何より腹立たしいのは、それすら許してしまえる程の彼女に対する感情が自分の中に存在しているという事だ。

「…浅見、取りあえず一回出させろ。お前のせいで余裕がない」

「あっ、んっ…!」

僅かに呼吸を乱してそう言うと、蓮の腰を引き寄せ脚を左右に開かせるように掴むと、先程よりも一層激しく腰を打ち付けた。
宮藤の律動に合わせてソファがキシキシと音を立てて軋み、結合部から白く濁った愛液が垂れ落ちる。

「はっぁ、あ、あっ、だめぇっ…!せんせっ…!すごいのっ、きちゃうっ…あ、あっ…!」

首を横に小さく振りながら訴える蓮を見下ろし、速度を緩める事なく抜き差しを何度も繰り返す。
出し入れをする度にとろとろになった肉壁が絡み付いてくるような感覚に襲われ、いよいよお互いに限界が近い事を知らしめた。

「あ、ああっ…、もっ、せんせっ…!んっ…!」

息も絶え絶えの蓮の口を塞ぐように唇を重ねると、舌を絡めて漏れ出る声を受け止める。
貪るようなキスを浴びせながら彼女の細腰を僅かに浮かせて、上から突き刺すようにずんずんと奥を突き上げていく。

「んっ、んぅっ…は、ぁっ…!」

蓮は苦しそうに息を口の端から漏らし、高ぶる感情のままに宮藤の背中に手を回した。
昇り詰める快楽の波に攫われぬよう、ぎゅっとしがみ付く。

「浅見っ…、離れろ、」

「やあっ…、あっ、せん、せっ…!すき、すきっ…!あ、あぁっ…んっ!」

最奥を容赦なく何度も激しく突かれ、蓮は大きく躰を痙攣させた。
ビリビリとした痺れにも似た快感が全身を駆け抜け、頭が真っ白になる。

「くっ…」

膣がうねりを上げて熱い肉欲を痛いくらいに締め付けると、宮藤は堪らず小さく呻いた。
白濁とした欲望が彼女の中で弾け飛び、奥へ注ぎ込むようにして腰を数回打ち付ける。

射精によるとんでもない快楽に身を委ねつつ、荒ぶる息を整えながら蓮の首筋に唇を寄せた。

これは完全に、宮藤の敗北だった。
“すき”だと言われた事で、一気に達した。
おかげで直前で引き抜く予定だったのが、完全に狂わされた。


「…浅見、お前って奴はっ…」

イッたばかりで呼吸を荒げながら涙に濡れた目を薄っすら開く蓮の顔を覗き込み、負け惜しみのように宮藤はそう呟く。
そうして彼女の涙をそっと拭うと、吸い寄せられるように潤った唇へとキスを落とした。




Modoru Main Susumu
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -