2015-1-3 Sat 0:58

「それでは、運命の結果発表です!」

豪華な半円テーブルの後ろに立つ、雪村千鶴アナウンサーの声が響いた。
ついに高額自腹のメンバーが決定する。
設定金額は一人3万円、値段を見ずにいかに設定金額に近いオーダーをできるか競うこのゲーム、土方・沖田・斎藤・藤堂・原田・風間各メンバーが、自分の名前が真っ先に呼ばれることを祈り続けていた。
また渡されるおみやもこのうちの誰かが負担しなくてはならない。本日は2位の人がおみや代を払うことになっている。

「まずは第一位!3万200円で、ニアピン賞です!」

いっせいにその場が盛り上がる。思い当たるかどうか尋ねられれば、全員が頷いた。

「第一位は......沖田さんです!!!」

彼女の明るい声とともに、沖田が椅子から立ち上がった。大きくガッツポースをし、金一封を受け取る。そしてさらにおみやも手にし、すっかりご満悦だ。

「そして2位は.......2万8千円で、残念ニアピン賞ではありませんでしたが.....そして、おみや代ですね。斎藤さん、おめでとうございます!!」

斎藤は無言でその場を立ち上がった。なんといってもおみや代を支払わなくてはならない。そっと黒い長財布を出すと、その代金を差し出した。ぱらぱらと起きる、拍手。

続いて藤堂、原田と抜けていく。
おみやを手にし、風間と土方の行方を見守るその姿は半分面白がっているようだった。

「それでは最下位の方には、本日の料理長山南さんから領収書が手渡されます!肩をトントンされた方が最下位でーす!」

後方では笑いが起こっているのに対して、未だテーブルに残る二人の顔はひきつっていた。設定金額が3万、多少プラスマイナスはあるが15万の自腹は確実だ。

それではお願いします、その掛け声で山南が動き始めた。
机に突っ伏して風間と土方は、最後の神頼みをしている。

両者の間を動いては、肩に手をかけ、ギリギリのところまで落としていく。
外野が声を出せば、悲鳴に近い声が二人から漏れた。風間、土方、そして風間。しばらく一進一退を繰り返す。

山南の動きが土方の前で止まった。
大きく手が振りかざされると、そのまま一直線に落下。見事に土方の肩に着地した。

「ということで本日は土方さんにゴチになりまーーーーーす!」

風間は悠々とその席を立った。
一人取り残された土方は、領収書を見て漠然としている。

「土方さん、おいくらですか?」

「.......18万3千円...。」

どっと歓声があがった。確かにその金額にも盛り上がったのだが、土方には問題がひとつ。

「あれっ、土方さん本日の手持ち、いくらでしたっけ?」

沖田が覗き込むようにして、尋ねた。

「うるせぇ。10万だよ、文句あるか。」

「ちょっと、足りません?」

「くそっ...総司テメェ.....。」

そうして原田から少々借金をしてなんとか払い終えた土方は、空になった財布をその場に投げ捨てた。







 
top
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -