13


おじいちゃんとおばあちゃんに声をかけ、勇介の後について神社へ向かう。
空には降ってくるような満点の星。
二週間一緒にいたにもかかわらず、何を話していいかわからない。
勇介も何もしゃべらないし、なんでとも聞けずに、会話のないまま神社へ着いた。

「この辺でええか」

勇介は私に花火の入った袋を渡し、社のほうへ行って、どこからか探してきたバケツに水を汲んで戻ってくる。
私は花火を取り出し、袋を開けて地面に広げた。

「奇麗」

勇介のライターで、しゅっと花火に火がつく。
真っ暗な空間にぱちぱちと火花が弾ける。
それを見て自然と緊張が解れ、口元が緩んだ。

「久しぶり」

笑って顔を上げると、勇介もふっと笑みを浮かべた。

「俺も久しぶりや。中学までは毎年のようにやってたけどな」

中学まで。私もそれ以来だな。
夏休みになるといつもみんなでしていたのに。

次第に楽しくなってきて、私たちは立ち上がって花火を振り回し始めた。
宙に円を書き、くるくる火花を散らして遊ぶ。
昔に戻ったように。
明日帰るということも忘れて。
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