私、禁煙宣言






あのテラスでの一件がきっかけで私とクラサメくんは付き合うことになった。


それでも煙草はやめられない私。
吸う量だって変わらない。

キスをする時にクラサメくんはいつも煙草の味がして不味いからやめろ、だなんて言うけれどやめられないものはしょうがない。





今日は私の部屋にクラサメくんが来る日。

クラサメくんはなにかと煙草やめろってうるさいので、クラサメくんが部屋にやってくる2時間前から煙草は吸っていない。




部屋も片付けたし完璧!なんて思っていると、ちょうど良いタイミングで部屋のチャイムがなる。






「はーい、今開けるわねぇ」


扉を開けるとクラサメくんがちょっと緊張した面持ちで立ってる。
あら、可愛い。

それになかなか中に入ろうとしない。



「クラサメくん?中に入らないの?」



「あぁ、お邪魔します」


ゆっくりと部屋に入ってくる彼。

毎日過ごしているこの見慣れた自分の部屋に彼が居るというのは、なんだかちょっと照れくさい。




「意外と綺麗にしているんだな」


辺りを見まわすクラサメくん。



「意外とってなによ」


ふふって笑っててなんだかむかつく…。
まぁ、こんな所も好きだからしょうがない。



「クラサメくん、そこのソファーに座っていいわよ」

「あぁ、これ」


そう言いながら手渡されるケーキの箱。



「これ…、わざわざ買ってきてくれたの?」


「同期組が買って行けとうるさかったからな」


と、顔を背ける。



私は素直にお礼を言い、コーヒーとお皿を持って彼のもとに行く。
二人でケーキを頂き、コーヒーを飲むと私の悪い癖が出てきた。





「(……煙草が吸いたい。)」





まぁ、一本ぐらいいいか!と思いそっとテーブルにある煙草に手を伸ばす。



「煙草…」

怪訝な顔をしながらそう言うクラサメくんを笑って誤魔化して煙草を吸う。




「………………」


「クラサメくーん?怒っちゃった??」



そう言いながら彼の顔をのぞくと、彼は突然私の煙草を持っている手を抑えながらソファーに押し倒した。





「ク、クラサメく…ん…?」




必死に彼の身体を押し返そうとしても、所詮は男と女。
敵うわけがなく、状況は変わらない。






「クラサメくん、ちょっといい加減に…」

「いい加減にすべきなのはユリアのほうだろう」


耳元で少し低い声で囁かれる。




「煙草は胎児に悪影響を及ぼすと聞く」

「そんなの今の私には関係ないでしょ?結婚しているわけじゃないし」


そんなことを言うと、彼は私の目を見ながらこう言った。




「今は関係なくても、近い未来には関係あるかもしれない」



「クラサメくん…っ」


「くん、はいらない」

「…え?」


「もう後輩扱いしないで欲しい」



そう言いながら甘い甘いキスを落とす。

彼のキスは本当に甘い。
煙草とは真逆の甘い甘いキス。




「…んっ、クラサメ…っ」



漏れる吐息と共に彼の名前を呼ぶと、一瞬彼はびくっとした。






彼のキスに酔いしれていると、ふと気がつく。




「ちょ、っと、クラサメ…っ、煙草の灰が……」



その一言で気がついた彼は、すぐに私の上から避け、私の持っていた煙草を奪い火を消した。


甘いキスの余韻から抜けられない私は、ちょっとだけ煙草の存在を憎んだ。






「ねぇ、クラサメ」

「…なんだ?」


「クラサメが将来のこと考えてくれてるんなら、煙草減らしてあげてもいいよ」



そう私が言うと、再び彼は私を優しく抱きしめクスっと笑いながらこう言った。



















「………では、今すぐにでも計画に移りましょうか?」


















――――私、禁煙宣言






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後輩クラサメさんは難しい!!!

けど、続編を書いてしまいました。
似非すぎてごめんなさい。。


煙草って不味いけど吸っちゃうんですよねぇ。

私自身が喫煙者なので勝手な妄想でしたww



クラサメさん夢のリクエストが欲しいぜ!!!



2011/11/26


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