smoker
生徒が誰も居なくなった夜のテラス。
そこに一人の女性が静かに煙草を吸いながら座っていた。
「ふぅ……、やっぱり外での一服は気持ちが良いわねー」
そう言いながら本日何本目になるかわからない煙草を口に咥え火をつけた。
星空を見上げながら気持ち良く煙草を吸うユリア。
「また煙草を吸っているんですか…」
突然背後から聞こえた声。
こんな時間にここに来る奴なんて一人しか居ない。
「クラサメくんじゃーん」
私は彼の方を向きながらも煙草を吸う手を止めない。
それを見てか、後輩の彼はあからさまに怪訝な顔をする。
「なに?」
「煙草………」
「え?」
「吸いすぎだ」
「あぁ、あははは…」
携帯灰皿の中に散らばる吸い殻を見て苦笑いする私、それでもまた星空を見上げながら吸う手を止めない。
沈黙。
聞こえるのは自分の煙草の吸う息の音だけ。
「………ユリアさん」
突然名前を呼ばれ驚きハッと顔を上げると、唇には煙草の味とは別のほんのりと甘い味がするやわらかい唇の感触がある。
クラサメくんにキスされていると気付くのにそう時間はかからなかった。
「ク、クラサメくん?!」
唖然としているといつの間にか私が手に持っていた煙草を彼が持ち、彼が口に咥えていた。
不覚にも煙草を吸っている彼が格好いいなーなんて見惚れてしまった。
見惚れてぼーっとしていると、彼はこんな物のドコが美味しいんですか?なんて聞いてくるから、不味いけど気持ちが楽になるのよなんて平然を装って答えてみる。
「ユリアさん、煙草やめたらどうですか?」
「んー、駄目よ。口が寂しくなるもん」
「なら………」
耳元に近寄り聞こえるか聞こえないかの声で彼は囁き、頬を真っ赤に染める私を置いて私の残りの煙草と共に帰ってしまった。
「………なにが口が寂しいならまた付き合いますよ、だ。クラサメくんの馬鹿…っ」
やっぱり私はこれからも
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ヒロイン(先輩)×クラサメ(後輩)話です!
ただクラサメさんに敬語使われたかっただけ。
ただクラサメさんをクラサメくんって呼びたかっただけ。
ただクラサメさんに吸ってる煙草を奪われてそれをクラサメさんに吸って欲しかっただけ。
私は後悔などしていないっ←
似非クラサメさんすぎて
全力でごめんなさい!!
2011/11/25
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