それは同じ想いで
「えぇぇ!ユリアっちってば1組の候補生の子と付き合ってるの〜?!」
そんな弛い喋り方のシンクの大きな声が人が少なくなった教室内に響き渡る。
「そうみたいです!手を繋いでいるところを見てしまいました」
シンクの言葉を肯定するようにデュースが言う。
それを少し驚いたような声をあげるセブン。
そんな三人の会話をエースは本を読みながら盗み聞きしていた。
この教室には彼を含め四人しか居ない。
エースは本の内容が全く頭に入ってはこなかった。
いつの間にかシンクとデュースは何処かへ行ってしまったようで、顔を上げるとセブンが目の前に居る。
「どうした?」
「どうした、じゃないだろう」
「なにが、だ?」
セブンはスッとエースの眉間を指差す。
「皺、寄ってるぞ」
エースは自分に力が入っていることに気がつき慌てて力を抜く。
「ユリアのこと好きなんだろう?」
そんな突然のセブンの質問に大きく反応してしまう。
「ユリアなら今、自習室に居る。たしか三十分後には例の候補生とやらと会う約束をしていたとシンクが言っていた」
その言葉を聞くや否や、エースは自習室へと走った。
「ユリア……っ」
自習室の扉を開けて中へ入ると、一人勉強をしていたユリアが居た。
すでに勉強は終わったようで片付けを始めていた。
「エース?そんなに慌ててどうしたの?」
優しく微笑みながら尋ねる彼女の表情にエースはなぜだか拳に力が入る。
「時間、あるか?」
「うーん、ごめんね。今はちょっとないんだ。明日じゃ駄目かな?」
申し訳ないとばかりに顔をしかめて答えるユリア。
「……そうか」
「なにかあった?エース、さっきからいつもと変だよ、具合悪い?」
「いや、大丈夫だ」
「本当に?なら、いいけど…」
「………………」
「………………」
「…じゃぁ、行くね」
ゆっくりとエースの横を通り過ぎるように歩いていくユリア。
エースはユリアの腕を強く掴み、ユリアの身体を自分の腕の中に引き寄せる。
ユリアを背後から抱きしめる形になり、頭を彼女の首元に埋める。
するとすぐに困惑した彼女の声が聞こえる。
「………た……ない」
「…エース?どうしたの?」
少し腕の中で抵抗するユリアを少し力を込めて抱きしめる。
「…行かせたくない」
「エース……っ」
いつまでこうしていたのだろうか、辺りは真っ暗になっていた。
「…エースのせいで行けなくなっちゃった」
少し震えた声でそう言うユリアはゆっくり振り返り、エースの顔を優しく両手で挟む。
「なにも言ってくれないの?」
「……ごめん」
「違うでしょ?」
「ユリアのことが好きだ」
「うん」
そう一言返事をするとポロポロと涙を流すユリア。
「ごめん、僕のせいで待ち合わせに行けなかったからだろう?」
「違うよ、嬉しいんだよ…っ」
泣きながら笑う彼女が綺麗でエースは彼女の唇に優しいキスを落とす。
―――
それは同じ想いで------------------------
久しぶりにエースくん書いたら偽物すぎてw
思いつきでつらつらとかいたものなのでお粗末でごめんなさい!
こんな文才のない私が書いたものでも楽しい、好きっていってくれる方がいるのだろうか……と、なんだかスランプ気味orz
まずは連載頑張らなくては!
2012/1/28
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[mokuji]
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