good night,my honey





真っ暗で静寂な世界。


辺りを見回すと、そこには敵軍の兵士がこちらを見て銃を向けている。




倒しても倒しても敵が減ることはない。


そう諦めた時に、一人の兵士が私に銃を向けて撃つ。



銃弾が当たる。

そう思い強く目を瞑るがなかなか銃弾の衝撃を受けない。



どうしたものかとゆっくりと目を開き前を見ると、そこには自分を庇い銃弾を受けるエースの姿。






「エース!!」


慌てて彼の側に寄る。

弱々しい息をするエース。





「……ユリア…っ」



震える力のない手で私を探すかのように動かすエース。


私は急いで彼の手を握り締める。





「エース、どうして!どうして私なんか庇ったの!いや、死んじゃ嫌よ」


「ユリア……笑って、欲しい」



息も絶え絶えに言うエース。

泣きながらも笑う私。




そんな私の笑顔を見ると、満足したように微笑む血塗れたエース。





「……愛してるよ、ユリア」



私が握る手が力なく地面に落ちる。





「いやぁぁぁぁぁぁぁ」



泣叫ぶ私。
動かなくなったエースを抱え込む。






































「………っ、…ユリア?」



ゆっくりと目を開けると、そこには上半身を起こして私を心配そうに見つめながら揺さぶるエース。





「……エース?無事だったの?」



そんなことを言う私を不思議そうに見つめるエース。




「もしかして、ユリア寝ぼけてる?」



そこでふと気がつく。

ここはエースの部屋のベッドの上で、今日私は泊まっていて一緒に寝ていたのだ。





「夢、か」


ほっとした私は、何故だか涙が止まらなかった。




「ユリア…?悪い夢でも見たのか?」




そっと諭すかのように優しく背中を撫でながら尋ねるエース。





「エースがね、私をかばって撃たれて死んじゃう夢を見たの。でも夢だから、本当になんかならないよね?」



そう尋ねる私にエースは少し難しい顔をする。





「そうだな、本当になる可能性はゼロではない話しだな」


そんなことを言う彼に私は不安になり、彼の腕を少し強く握り締める。



「……エース?」




「だってそうだろう?愛しいユリアが危険な状態だったら僕は自分の命を捨てても守る」



エースの気持ちは嬉しかった。


でもそれは違う。
エースが死んで私が守られて生きてたとしても、それは幸せでも嬉しいわけでもない。




「…私はエースが死んじゃうぐらいなら一緒に死んだほうが良いよ」



エースは私のそんな言葉を聞くと、優しく微笑んで私の頭を撫でた。





「ユリアならそう言うと思ったよ。だから絶対に僕は死なない。ユリアの隣りにずっと居て、幸せにするよ」


「……本当に?」

「僕が約束を破ったこと、あるか?」


「ない…っ」





手と手を取り合って目を合わせて微笑みあうと、ゆっくりと優しいキスをする。


もう一度布団に入り、彼の腕を枕にして横になると彼の匂いでいっぱいになる。





「僕はここに居る。だから安心しておやすみ」





おでこにキスをされると、また夢の世界へと誘われる。



今度は甘い甘い優しい夢の世界へ…




















―――good night,my honey

(良い夢を見て―――)



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エース夢は甘々だぁ!

エースくんでシリアスとか切ない夢は書けない気がする、ヘボ管理人です←
クラサメ隊長はどんなんでもいけるんですが…

エースくんは私の中で本当に王子様イメージなんですw

そして自分が怖い夢みたから生まれた産物だなんて言えないw


2011/12/16



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