私は貴方の虜です






今私は上司であり恋人であるクラサメさんの執務室に書類を届けに向かっている。


執務室に着くと、コン、ココンとちょっと変わったノックをする。

これは私だという特別な合図。




「クラサメさーん、書類届けに来ましたよ」


「ユリアか、ご苦労。感謝する」


と、優しい声色で返事をしてくれる。


付き合うことになったのは最近。
もちろん私から気持ちを伝えた。

付き合ったばかりということもあって、まだ手すらも繋いだことがない。




「書類、ここに置きますね」


そう言い彼の顔を見るといつもとは違う彼が居た。



まずマスクを外していた。
しかしそれはもう見たことがあるので驚きはしない。


なにが驚いたのかというと、彼は眼鏡をかけて仕事をしていた。






「眼鏡、してる」


その言葉に反応した彼はゆっくりと書類から目を外し、私の目を見た。



「あぁ、今日はコンタクトレンズをつけてくるのを忘れたんだ」


まず驚いたのはコンタクトレンズだったということ。

そしてすごく眼鏡が似合っていて、とてもかっこよかった。


彼がかけていた眼鏡は縁がないものだった。




「……変か?」


「いえ!むしろすっごくすっごーく似合っててかっこいいです!!」




必死にそう返すと彼は優しく笑った。


「もうすぐてこの書類が終わる。嫌でなければそこに座って待っていてくれないか?」


待ってて良いと言われた私は一言返事で頷き、ソファに座る。




ソファに座ってからの私はチラチラと盗み見るように眼鏡姿で職務をする彼を見る。



「(かっこいいなぁー)」




真剣な眼差しで書類と向き合う彼。
静かで落ち着く空間が生まれた。



チラチラと盗み見ているうちに書類が終わったようで、彼は私の隣に腰を落とす。


「待たせたな」

「いえ!眼鏡姿のクラサメさんは貴重なので楽しかったです」



そう私が言うと彼は私の顔をじーっと見つめた。




「………クラサメさん…?」





彼はゆっくりと私の頬を撫で、そのままゆっくりと口づけをする。

口づけをした瞬間、彼の眼鏡が私にぶつかり静かに音をたてる。





私たちは目を合わせて、静かに笑った。



「………眼鏡は邪魔だな」


「ふふ、でも眼鏡姿のクラサメさんも大好きですよ」





彼は眼鏡を外し、近くにあるテーブルに置く。


そして再び優しくて甘いキスをする。









――――私は貴方の虜です



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ただ単に眼鏡姿のクラサメさんを妄想したくって、
ちゅーしたら眼鏡が邪魔になるのを書きたかっただけです!

自己満足です!!←


突発的作品ばんざーいっ!



2011/11/28


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