私の王子さま






授業終了の合図と共に、0組のみんなは外に飛び出す。

私ももちろん勢い良く飛び出した





………………はず、だった。




しかし現実は教室内の階段につまずいてしまい、気がつくと床が迫っていた。

このまま顔面から床にぶつかるー!なんて思って目を瞑ると、衝撃がやってこない。
その代りに、右腕と腰に引き締まった腕の感触。







「だ、大丈夫か?」




少し焦った声で私を抱きとめる彼の声が聞こえて、すかさず私は体制を整えて彼の方を向いてお礼を言う。



「へへへっ、エースだぁ。ありがとう!大丈夫」


「ユリアはそそっかしすぎる。もっと気をつけた方が良い」

「あー、それ昨日隊長にも言われたばっかぁ。気をつけます」



私は手をおでこのところにあて、敬礼のポーズをして教室の外に出たのだった。









「はぁ、エースかっこ良すぎるよぉぉぉ」


「あれぇー?ユリアりん顔真っ赤だよぉ?どうしたのぉ??」

「シンク?!」


「ははーん、シンクちゃんわかっちゃったぁ。ユリアりん、エースのことが好きなんでしょう?」




そう、私は同じ0組の仲間のエースのことが好きなのだ。




「シンクっ!声大きい!!」

「あぁー、ごめんごめーん。」



えへへ、と笑う彼女は私の親友だ。


「だいじょうぶだよ、ユリアりん!」

「え?」


「もう言っちゃいなよぉ、だってエースっていつもユリアりんの危ないとことか救ってて、王子さまみたいじゃーん」




突然のシンクの発言に驚く私。

でも実際いつもエースは私を助けてくれる。
そう、先程みたいに。




「でも……、それは仲間だからでしょ?」

「えー?でもこの間シンクちゃんが転んだ時には気をつけろよ、の一言だけだったよぉ」


「うーーーん」


「あんまり気を抜いてると、王子さま奪われちゃうんだからねぇ」




あははは、と笑う彼女はトレイに呼ばれて行ってしまった。




「シンクったら……」




シンクに言われたことを考えながら歩いてテラスにつくと、そこにはエースを4組の女の子が話して居た。

とっさに隠れてしまった私は二人の話を聞いてしまう。





「エースさん…っ、私、好きです!!」




そんな言葉に私は頭が真っ白になってしまう。


そういえば、あの4組の子は最近作戦で一緒になった時にエースが危ないところを助けてあげてた子だ、なんて無駄なことを思いだしてしまう。


そんなことを考えていると、エースが話し出した。





「あぁ、気持ち、嬉しいよ。ありがとう」





そんなエースの優しい声を聞いてしまった私は、慌てて教室に戻った。







誰も居ない教室につくと、さっきのシンクの言葉とか、エースの優しい返事の声とかが頭の中をグルグルしていて気付くと、なんで早く気持ちを伝えなかったんだろうとか後悔の念で涙を流していた。



教室で一人泣いていると、教室に向かってくる足音がする。


さすがに0組の誰かにこの顔を見られたくなくて、裏庭に出ようと階段を下りる。
しかし階段に躓いてしまい、転びそうになってしまう。









すると、先ほどのデジャブかのように右手と腰に引き締まった腕の感触を感じる。
しかし先ほどと少し違う点があった。



それは、腰に回された腕は強く私を抱きしめていて、暖かい温もりに包まれる。




「……ユリアはそそっかしいから気をつけたほうが良いと言っただろう」





耳元で聞こえる声は大好きな彼の声。


「……エース…?」



「テラスに居たんだろう?」


少し息が切れているエース。


「…うん」



「なら、最後まで聞いていって欲しかったな」



くすっと笑う彼。


「え?」



「僕はユリアのことが好きだ。いつも見ていた」

「エース…っ」


再び涙が零れ落ちてくる。
そんな私を彼は優しく自分のほうに私の顔を向け、両手で顔を優しく包み込む。







「これから先もそそっかしいユリアを守るのは僕だ」








なんてかっこいいことを言いながら優しいキスを一つ落とす。











「ねぇ、エース」

「ん?」


「大好きだよ、だから……」


















あなたは私の王子さま






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エースくん、初夢でした!

0組の生徒の中ならエースが好き!
ということでエースくん夢。

彼は私の中で王子さまなイメージ。

白タイツ履いて白馬に乗ってても
かっこよさそうじゃないですかぁ!!←


そしてシンクちゃん好きなので
友情共演させましたwww




2011/11/26


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