雲路の果て | ナノ 65

道中を歩く昼ひなか、義勇の足取りは軽いとは言えないものの、一定の速度を保っていた。
しかし、その隣を歩く名前の足は忙しない。
先回りしては立ち止まり、義勇が通り過ぎるとパタパタと走ってはまた先回り。先程からそれが繰り返されている。
どうにも昨日買った衣服に袖を通してからというもの、ずっとこの調子だ。

「…転ぶぞ」

ついその言葉が口を突いて出る。
ただでさえ今の名前は慣れた隊服ではなく、着物と底の厚い草履を召しているため、危なっかしい所の話ではない。
その一言で、隣に並んで歩き直しはしたが、代わりにちらちらと送られる視線に、義勇は若干目を窄めた。
「…えへへ」
微笑みというよりはニヤケ顔に近い表情を両手で隠す名前は、心底楽しげで、溜め息を吐きそうになったのを止める。
自分の姿を確認してから、未だニヤけている隣へ視線を戻した。
「…そんなに、珍しいか?」
「うん」
即答してからまた小さな笑声を溢すものだから、今度こそ溜め息が出る。
「そんなに注視されると歩きづらい」
「…あ、ごめん!見ないようにする!」
言うや否や両目を覆ったと同時に縺れた足で地面に倒れ込みそうになる身体。
そしてそれを、いとも簡単に受け止める義勇。
胸元にすっぽりと収まったあと、少ししてからその顔を上げた。
「…だから言っただろう?」
呆れた声色ながら、温かい瞳と完全に視線があった瞬間、名前の頬が桜色に染まっていく。
「…義勇、かっこいい」
ぽつりと呟く言葉に、今度は義勇の頬に若干の熱が籠もる。
「道の往来でそういう台詞を言うのはやめてくれ」
「…嫌だった?」
「嫌じゃない」
すぐに否定をしても不安げに揺れる瞳に見つめられ、重ねてしまいたくなる口唇で言葉を紡いだ。
「…少し、照れ臭い」
ぶっきらぼうな言い方にはなってしまったが、とにかくそのままの心中を伝えれば、その頬は更に色付いていく。
「…名前まで照れないでくれ」
「あ、ごめん…」
互いに目を合わせず、ぎこちなく離れた。
そのまま歩き出したものの、未だ染まる頬に触れる横顔を気付かれないよう見つめながら、義勇は幾分か軽くなった心の中、小さく息を吐く。

目的の郡役所までは、あと一町(百十米)といった所。
昨日、それこそ道の往来で抱き締め合った後、何事もなかったかのように歩き出したが、その際、名前は遠慮がちにひとつの提案をした。

「お役所には、行ってみない?」と。

それは、もしかしたらという僅かな望みに掛ける、というよりは、まだ確定的ではない事項をこの目でしかと見届けたいという心理からくるもの。
その意図を噛み砕き、理解をして尚、答えを渋る表情に
「義勇が嫌なら、私が聞くから」
まだ涙の跡を残しながら、強い決意を抱く瞳ではっきりそう言った。
その意思に引っ張られる形で首を縦に動かしたが、こうして真実を知るとなると、僅かばかり足が竦んでしまうのは何故だろうか?
これまでの自分とは、明らかに違う。
相対してきた鬼のどれも比にはならない位の恐怖だ。
臆してしまうのは、命よりも大事だと言える存在が、隣にいるからなのかも知れない。


雲路の


「…"冨岡義勇"さん」
今耳にしたばかりの名を繰り返しながら、うーん、と小さく唸ってから顎へ手に置くのは、此処の主幹だという男。
「ご出身はどちらで?」
「豊多摩郡野方村」
「野方村…あぁ、あちらは長閑で良い所ですよねぇ。私、以前そちらにお邪魔させていただいた事ありますよ。おばあちゃんが作ってくれたふろふき大根がこれまた絶品でしてねぇ。あ、全然、知らないおばあちゃんなんですけど、大根が有名な特産物とかで」
こちらに話しているのか、それともただの独り言なのか、話し続けながらも筆を動かしては手元の冊子を捲る動作に、名前は受付台を挟んだ先で不思議そうに見つめている。
「あぁ、すみません。どうも今年に入ってから各地で不思議な事に失踪者の保護が相次いでおりまして、此処も例外ではないんですよ〜。お陰様でこの賑わいなんですけどね」
そう言って視線を上げた先を追ってから、背後に出来上がった長蛇の列に気が付いた。
「元々この付近に住んでた人達なんですけど突然見つかったんですよ。これからひとり一人とお話する予定なんです」
そこまでで言葉を止めた後
「で、冨岡義勇さんも、親族から失踪届を出されていたという事でよろしいですか?」
突然話を戻した主幹と同様に、二人の視線も戻される。
「はい」
義勇が答えるより先に、しっかりとした返答で頷いたのは名前。
「うーん、ちょっと待って下さいね」
一度断りを入れてからその場を離れると何やら誰かと話を始めた。
「…すごい人だね」
抑えめの声で言う名前に義勇は小さく頷くと、僅かばかり視線を下げる。
「でも、どうして急にみんな帰ってきたんだろう?」
「鬼舞辻󠄀無惨を倒したからだ」
「…え?」
瞳を丸くしたのは数秒、すぐにその意味を理解して眉を曲げた。
「鬼に捕まってたって人達、ってこと?」
「あぁ」
確証を得られるものは何もないため、あくまでも推測しか出来ないが、この点について確信めいたものは感じている。
これまで斬首してきた"鬼"という生態を考えれば、食糧保持のために生きたままの人間を何処かに秘し隠していても全く不思議はない。
そして先程の主幹の男は言った。
「今年になってから」と。
時期を考えれば、鬼舞辻󠄀無惨を滅した事で各地に散らばっていた鬼が殲滅し、捕らわれていた人間が自力で逃げ出した。そう見るのが自然だろう。
その証拠に皆、何処か翳があり、表情も晴れやかなものとは言えない。
誰一人、鬼の存在について触れないのは、心理的要因によるのでもある。
誰もが思いたいのだ。

きっと自分は、夢を見ていたんだと。

その感情を、義勇も名前も痛い程に理解が出来る。
鬼という存在が、失われていく命が、ただの夢であるならば、どんなに良かっただろうか。
これまで何度そう考えたか。数え切れない程に。

「お待たせしました〜。ごめんなさいちょっと今戸籍簿がなくてですね」
戻ってくるや否や話を始める主幹に、二人の意識はそちらへと向けられる。
「昨日まで此処にあったんですけどどうも部下が戸長さんに返しちゃったみたいで、今から取りに向かわせるんですけど多分夕刻過ぎちゃうんで、申し訳ないんですけどまた明日来て貰ってもよろしいですか?」
こちょうさん、という言葉に反応した名前の代わりに、今度は義勇が頷いた。
少し遅れて口を開く。
「あ、その戸籍があれば、全部わかるんですか!?」
「それも見てみない事にはちょっと〜。明日までには私の方で調べておきますので」
覚え書きを認める姿に、もう一度口を開こうとする名前の肩を掴む。
「お願いします。名前、行こう」
「…でも」
出し掛けた言葉は、後ろから感じる視線で呑み込んだ。

若干の冷ややかな視線を肌で感じながらも郡役所を後にして帰路につく。
「…ごめんね、義勇」
往路とは違い、すっかり意気消沈した横顔に、意識していないのに口の端が上がっていく。
「名前も俺に謝ってばかりだな」
「…だって」
すぐに言葉に詰まってしまった。
ほぼ強引に連れ出ておいて、結局の所、状況を冷静に見極め対処しているのは義勇。
役に立たない所の話ではない。完全に足手まといでしかないのを自覚している。
しかしその思考も的確に見抜き
「名前が俺のためを思い、必死になってくれる事が何よりも嬉しい」
穏やかに微笑む義勇に、自然と弛まっていく口元を指で覆った。
「…だって、義勇がいつも、そうしてくれるから」
これまでの日々を思い返すと、更に深くなっていく笑顔が隠れているという安心感から抑える事なく湛える。
しかし途端に、右手を攫われて瞬きを繰り返した。
「今日は良くニヤけるな」
微笑みというより、嘲笑に近い表情をする義勇に口元が戻らぬまま、頬だけが染まった。
「…だって!」
「だっても良く言う」
「…だっ」
完全に動きを止めた名前に、義勇はそのまま指を絡めると歩き出す。
それに倣い足を動かしながら、赤みが引かない顔へ左手を添えた。

「行って良かった」
「…ん?」
「行って良かった、と言った。まだ結果はわからないが、それでも」
張り上げた声が徐々に小さくなっていく。
一度落とした視線も、今度は真っ直ぐと見据えた。

「もう、どちらでも構わない。俺は俺なのだと思う事が出来た」

存在していないもの。

世の中にそう決められても何も変わらない。
その裁定に価値などはないからだ。

唯一の憂慮とするならば

「…名前と夫婦にはなれないが」

足を止めた義勇の呟きを、その右耳が拾えているか。
それを気にする前に左腕にしがみついてくる両手で身体の軸がぶれ、若干よろけた。

「じゃあ指輪作った日にしよっか?彫ってもらうの」

無邪気な瞳を向けられ、意味を理解するのに時間は少しかかったが、それが名前なりの気遣いだというのは思考を巡らせずとも感じられる。
「昨日、か」
「うんっ。あ、でも出来上がった日の方がいいのかな?」
「それなら一週間後だ」
「義勇はどっちがいい?」
「名前が決めてくれ」
「…え!?どうしよう…」
腕にしがみついたまま、真剣に悩み始める表情を斜め上から見下ろす義勇の瞳は優しいもの。
「まだ一週間ある。ゆっくり考えれば良い」
「…うん」
にっこりと笑った後、てっきりそのまま歩き出すのかと思いきや、未だその場に固まる名前に、瞬きが速くなった。
どうした?その一言を掛けようか迷った所で
「義勇、腕、組んでいい?」
突然の発問に今度は瞬きを忘れる。
「もう組んでる」
「…あ、そうじゃなくて…あの、腕組んで、歩きたいなって…」
遠慮がちに出される声とは違い、左腕を添える指の力で意思の強さを感じた。
「…あ、でも嫌なら「行こう」」
放そうとする手を制止するように、一言だけ返すと歩き出す。
「いいの?」
「構わない。腕くらい、名前が組みたいというならいつでも組む」
「…えへへ」
嬉しそうに、ぴったりとつける顔は子供のようだと思った。

* * *

二人が再び郡役所へ訪れたのは、翌日。陽が傾きかけた頃だった。
「…こんにちは〜」
昨日とは違い閑散した建物の中、名前が恐る恐る声を掛けるも誰の姿もない。
「終わっちゃったのかな…?」
しかし人の気配に気が付いた義勇の目配せを受け、受付台へ身を乗り出した。
人目を忍ぶように蹲っている人物を見止め
「…あの」
遠慮がちに声を掛けた所で上げられた顔。
握り飯を口いっぱいに頬張る主幹の男と目が合って、互いに動きを止めた。


「いやはや、お見苦しい所を…申し訳ない…」
そう言いながら頭を掻いているその口元には、ご飯粒がついたまま。
指摘して良いものなのか。少しの間考えてから名前が右手を上げた所で
「…頬についている」
今まで黙ったままだった義勇が口を開いた。
「…はい?あぁ!これはまたお見苦しいものを…!」
狼狽しながら自分の頬を摩ったものの、すぐに冷静な表情へ戻ると、片手に分厚い冊子を手に取る。
「丁度良かったです。ついさっき皆さん手続きを終えられて帰られた所なんですよ」
その言葉で、何故義勇が閉所寸前のこの時間を選んだのか、名前は漸く知った。
「本日も行方不明だった方々が良く来られましてね。今は職員が食事に出ています」
そうして、何故隠れて握り飯を頬張っていたのかも、今の台詞で解決する。
「あ、ごめんなさい…」
「いえいえ、構いません。恐らくはこの時間に来るのではないかと踏んでおりましたので、予想が当たって私はとても歓喜しております」
そう言いながらも、余り変わらないその表情は、義勇達が答える前に開かれた冊子へと落とされた。

「結論から言いますと冨岡義勇さんの戸籍ですね、この中には残存しております」

まくしたてる口調のため、言葉を拾うのに終始している名前の理解が追いついた時には
「この中には、という事は?」
義勇の冷静な声が響く。
主幹がキョロキョロと辺りを見回すと、持っていた冊子を台の上に置いた。
「誰もいないんで見せちゃいましょうね。あ、椅子どうぞ。そこにあるのでどうぞお持ちになってお座りください」
壁際へと視線だけを向ける淡々とした口調は、この人物の特性なのだろう。
「これなんですよ。冨岡義勇さんの戸籍」
勧めておきながら、間を設けるでもなく再開させる主幹に、名前が狼狽えながら椅子を準備していく。
「間違いないですか?奥多摩郡野方村の冨岡義勇さんと言えばこの方しかいらっしゃらなかったのですが」
止まる事なく続いていく内容を聞きながら、義勇は目だけで礼を告げるとそこへ腰掛けた。
名前も微笑みを返してから、隣へ座る。
差し出された冊子の一頁、目に入った"姉・蔦子"の文字にちくりと胸が痛んだ。
そのまま一点を見つめ、瞬きすら忘れる義勇から応えはなくとも、それが間違いないものだと判断して主幹は続ける。
「これ改製原戸籍というものでして、この中では冨岡義勇さんの戸籍は"生きて"いるんです。ただこちら、今はあまり使われていないものでして三年前に更新されたはずなんですが不思議な事に全く変化が見受けられません。その代わりに私達が主に作成している新しい様式の戸籍なんですけどね。あ、これは先程訪れた方のものなんですけど」
そう言って一枚の紙を差し出した。
所在地から書き出されたそれは戸主から先、左に向かって続柄と名前等が細かく書き連ねられている。
「ご覧になってわかる通りこれは所在地、つまりは家をひとつのものとして数えられています。こちらの様式でお調べした所、どうも野方村にあった冨岡家の戸籍は家長不在のため除籍という扱いになっていました」

それがつまり、どういう意味を指すのか。
主幹は一度小さく息を吐くと、戸籍を見つめ続ける二人を交互に見やった。

「身元を引き取ったという親族、そちらの方に冨岡義勇さんの戸籍が移動したのではないか。その可能性も考えお調べいたしましたが、どうにもそちらの戸籍にも入っていない。今のお住まいの所で住民登録をされていたりは?」
「有り得ない」
「ふーむ。そうですよね。調べても見当たらなかったもんなぁ」
ブツブツと呟いた後、二人分の双眸を受けて視線を上げる。

「という事はですね、面白い事に戸籍自体も行方不明なんですよ」

義勇が眉を寄せたのは一瞬の事。すぐに平静な表情へと戻ったが、問題は名前だ。
悲愴の色を浮かべると、俯いたまま動かなくなってしまった。

「失踪してから七年以上経ってるとおっしゃってられましたが、失踪宣告が執行され死亡と認定されていたとしても戸籍がある限り、記録は残るんです。何処かに必ず。しかし」

また唸ると考え込む主幹の瞳は、どことなく楽し気なもの。

「そもそも戸籍がない人間の失踪届は出せない筈なんですけどねぇ。そういう事にしたのか、それとも後からなかった事にしたのか。私にはわかりかねますが、誰かが故意的に冨岡義勇さんの戸籍を消した、という可能性が考えられます。まぁ誰かというか十中八九そのご親族の方でしょうか。良くある事です」

更に消沈していく隣の気配を感じながら、義勇は何処か、自分が安堵に近い感情を抱いている事に気付く。

"最初からなかった"のであれば、いや、"なかった事にされた"のであれば、仕方ないと潔く諦める事が出来る。
少なくとも、数年の差で明暗を大きく分けるよりか、という消去法にはなるが。

「良かったですね。死亡してる事になっていなくて」

その言葉に、名前は弾かれたように顔を上げた。
「…良くないです!」
向ける瞳からは、主幹への非難の色が窺い知れる。
それもすぐに弱々しく俯いた。
「…良くない、です…。義勇は…」
「…名前」
二人から溢れ出ている哀しみの感情に、主幹は表情ひとつ変えないまま訊ねる。
「冨岡義勇さんが死亡していないと何か困った事でも?例えば借金取りに追われているとか。その場合、余り効果はないですねぇ。彼らの情報網は広いですから、何処に逃げても追ってきますよ?諦めるとしたらその場で死体を確認した時くらいか。それでも確実に身体の一部は持っていかれますけどね」
ほぼ独白に近い言葉を耳にしながら、義勇は俯いたまま動かない名前へ視線を向けてから主幹へ戻す。
「結婚しようと思ってたんです。俺達」
「ほお、それはそれは。そうですか。とても喜ばしい事ですね。おめでとうございます」
その言葉で、義勇の表情までが曇っていくのを顕著に感じ、主幹はうーんと唸ると顎に手を当てる。
「嬉しくないようですね。やはり借金取りに追われていらっしゃるのですか?」
「…違う」
これは完全なる嫌味なのだろうか?
今まで平静を保っていた義勇に、僅かばかり苛立ちが募る。
「帰ろう」
此処でこうしてこの男の嫌味を聞いていても一銭の得にもならない。
それどころか名前が傷付いていくだけだと早々に席を立った。
「…うん」
義勇に倣い、同じように立ち上がりかけたのと同時
「お帰りですか?それではまた明日お待ちしております」
丁寧に頭を下げる主幹に、義勇の眉間にこれ程までになく皺が刻まれる。
思わず荒げてしまいそうな声は、グッと喉で止めた。
名前の前では怒鳴りたくない。
ただでさえ今にも涙が溢れそうなのだ。これ以上、心に傷を付けるような真似はしたくない。
その一心で、主幹から視線と背中を背ける。
それでも、捨て台詞のひとつでも吐いてやろうかとも考えた。

「もうすぐ皆戻ってきてしまいますからねぇ。お気を遣わせてしまい申し訳ない。流石の私も部下の前で改竄は出来ませんから。また明日この時間にという事で」

丁寧に頭を下げる主幹に、義勇の動きが止まる。
(今、何と言った…?)
心の中で呟いてから振り返った。
目端で捉えた名前は、当事者である義勇より吃驚している。
「そんなに驚く事でしょうか?」
首を傾げるその声にも表情にも、一切の変化は見られない。
「改竄とは、どういう…」

これ以上、無駄な希望や期待を抱きたくはなければ、隣で固まっている存在にも抱かせたくはない。
けれど、今この時ばかりは心臓の高鳴りも誤魔化せない。
定まらない感情に、義勇の言葉はそこまでで止まり、代わりに目の前の飄々とした口が動く。

「消されたのなら作れば良いのです。それとも何かご不満でも?あぁ、安心してください。借金取りが怖いというのなら改名する事も出来ますし顔を変えたいのなら医者も紹介出来ます。腕は余り良くないですけどね」

嬉々として喋り続ける主幹の男をただ眺めながら、二人は畏怖を抱くと共に、僅かな光明を見出した。そんな気がしていた。


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有能な参謀者

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