ふたりの世界 | ナノ
拝啓、ナマエ様。
新たな年が始まりましたが、ナマエのことですから今年も目標に向かって、日々努力を惜しまず過ごしていくことと存じます。
先日、彼の話をしてくれた時はとても驚きました。それと同時に、ナマエとそういったことを話せたことが、とても嬉しく思います。ですが心配でもあるのです。なので老婆心ながら言わせてください。
きっと彼は、ナマエの、我が家の家系を気にして医学部という選択をしたのだと思います。ナマエに話したことはなかったけれど、お祖父様はナマエにそういった結婚を望んでいます。お父さんの家系は由緒正しい家柄の者との結婚が主流であり、男は皆、お祖父様の病院で働いています。私のような家柄も学もない者との結婚は皆に反対され、当時は大変苦労しました。
彼はそういったことを考えて、今の決断をしたのだと思います。真剣にナマエとお付き合いをしているのでしょう。けれど、生きている限り明日など誰も保証はできないと思うのです。他人に人生を委ねる考えは、いつかナマエを深く傷つけることになるのではないか。ナマエが謂われない責任を背負うことになるのではないか。私はナマエが心配なのです。
二人の歩く道が緩やかに曲がり、いつか交差する、その時を今は待っていてもいいのではないでしょうか?
お祖父様たちのこと、家柄のことを気に病む必要はありません。ですから、彼と、もっとたくさん話をしてみたらどうでしょうか。

ナマエにとって本年が幸多き年でありますよう、祈念申し上げます。いつでも帰ってきてくださいね。
母。


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そういえば、手紙みたいなの持ってたけどどうしたの? その覚くんの一言で開けた封筒の中は、正真正銘、手紙だった。「俺も見ていいの?」とダイニングテーブルを挟んで向かえに座る、気乗りしない顔をした覚くんを無視して、私はこれ見よがしにテーブルに手紙を広げて読んだ。

「んっはー! 聡明な母ちゃんだね」

聡明。母にそんなイメージは持っていない。けれど、それならどんなイメージなのかと問われると答えられないので、その言葉を口にはしなかった。

「でも、そっかぁ。ナマエちゃん、母ちゃんに愛されてんネー」

愛。愛か。なんて不確かで、不透明な言葉だろう。そんな言葉は受け入れがたく、今度はすぐに口から「そうなのかな」と言葉が出た。

「だってめっちゃ心配されてんじゃん。そんであんま俺が信用されてないっつーね。まあ、まだ会ったことねぇーしー。そりゃ母ちゃん心配するわ」

会ったことがなくて当然だ。母は私と一緒に住んでいなかったのだから、覚くんと会う機会がないのは至極当然のこと。だっていつも、誰も家にいなかったではないなか。いつも、ひとりだった。それなのに急に、こんな……。
手紙を破り捨てたい衝動。けれどそれをやってはいけないと、道徳心が自分を自制する。

「ナマエちゃん、母ちゃんに俺のこと話したんだね」
「うん」
「今度挨拶行かなきゃネ。すんげー心配してるし」

いやー、本当は大学決まってからって思ってたんだけどなぁ。つかぶっちゃけ試験ヤバい気しかしないよネ。
そんな覚くんの言葉にうまく返事ができなかった。言葉がつっかえて、息をするのも難しい。視点が定まらない。自分の身体ではないような、不自由な感覚が全身に広がっている。そんな様を不審に思ったらしい覚くんが、私の手を強く握った。

「ナマエちゃん。ナマエちゃん? ダイジョブ?」

心配そうにこちらを覗き込む覚くんの瞳。その色を見ていると、ぐらぐら胸の内にあったものが溢れるようにして口からこぼれそうになる。

「わ、わたし、」
「うん?」

駄目だ。何も話すな。
「母ちゃん」そうお母さんを呼ぶ覚くんの表情。「覚」そう覚くんを呼ぶ、覚くんのお母さんの表情を思うと、今、口からでそうになっている言葉は、聞く側の人に不快な思いをさせてしまう。そう思うのに、目の前の手紙に吐き捨てるようにして言葉が出てしまった。

「私、お母さんのこと、あまり、好きじゃない」

好きじゃない。そう悪意とともに人を否定する言葉を吐き出すのは、少なからず胸が痛んだ。

みんな、友達。クラスメイトはみんな、友達なのよ。
小さい頃、母にそう言われた。だから私はみんながみんな、友達だと思っていた。嫌いな人はいなかったし、自分も誰かから嫌われるなんて想像をしたこともなかった。けれど特別親しい人がいるわけでもなかった。でもみんな友達だから、関係ない。私は勉強を頑張らなければいけないし。
なぜって、お母さんがそう言ったから。お母さんは親で、私は子どもだから、親の言うことをきかなきゃいけない。子どもが親を否定するなんて、拒絶するなんて、おかしい。そう、言われてきた。
だから、覚くんに「愛されている」と言われて、それを受け取れない自分と、そういった感情を母から向けられていることに、嫌悪している自分がいるのことに気がついた。いや、嘘だ。今までは、気づいていないふりをしていただけだ。私は、私自身のことを、よく理解している。

「お母さんが私を愛しているなら、私もお母さんを愛さないと、いけないよね。でも、そう思うと、すごく嫌な気分になる。だから、私には無理なんだと思う。ずっとずっと、残ってる。あの日の、あの日々の、身体が、心が硬くなるような感覚が」

捨てられるモノたち。恐怖と罪悪感。負の感情が集まって、私を呑み込む。未だにある。未だにあの、クロゼットにいる。部屋が変わっても、一緒にいなくても、ずっとついて歩くソレ。
ゆっくりと凍りつくような感覚。最初は痛くて辛いのに、だんだんとそれが消える。感覚が薄くなって、窮屈になる。動けなくなる。思考が鈍る。深く考えなくなる。じっとその場にとどまり、思考をやめる。そうしたら、モノになるのだ。そんなモノが、愛の受け取り方なんて、知るわけがない。ましてや愛し方なんて。

「ナマエちゃん」

でも、そうやって私の名前を優しげに呼ぶ覚くんから向けられる感情は、ちゃんと受け取りたい。

「ナマエちゃん、俺ね」

受け取りたいし、私も同じだけ、もしくはそれ以上に返してあげたい。あげれるもの、全てをあげたい。そう思うのに、うまくいかない。肉親さえ思いやることが出来ない私が、何が出きるというのだろう。私のために、自分の進路を選択しようとした覚くんに、何ができるのだろう。

「俺、思うんだよネ。なんて言えばいいかなー」

そう話し出した覚くんの声は、いつもより、いつも以上に優しげに私の鼓膜を撫でた。

「コレ! なんに見える!?」

顔の前で両方の親指を下にして、中指を上へ。それを左右くっつけて、長い指でつくられた大きな丸。

「……丸」
「せえっかーい! 花丸あげちゃう!」

おどけたような、いつもと変わらない話し口調。

「例えばさ、これを人の核だとします!」
「核」
「そこは人格とか、心だとかだと思って」
「わかった」
「生まれた時、みんなの核は最初、だいたい同じよーな、丸っぽい形をしてると思うのネ、俺。丸っこくてそんで、柔らかいのよ」
「柔らかいの?」
「そう。柔らかいの。小さい子って適応能力だとか発想だとかが柔軟だって言うじゃん?」
「そう、かも」
「あと吸収力がスポンジなみ! とかさ。そういうのって、影響を受けやすいってことじゃん? てことは、なんかこう柔らかくて、そういう刺激を受けて、丸っこかった形がどんどんかわっていくのヨ。なんでも呑み込んで、外部の影響を受けて、そんでこう、形を変えながら大きくなんの」

不思議だと思う。私は理解、納得することがあっても、あまり共感はしない。でも覚くんの言葉は、私をすごく惹き付け、理解よりも共感に近い感情をもたらす。

「そんでさ、柔らかくて、影響受けやすいぶん、傷つきやすのヨ。簡単にふにゃふにゃ、ぐにゃぐにゃっと、へこんだり折れ曲がったり。でも柔らかいからすぐ元にも戻んの」

イメージする。普段は球体に近い形状を保ちながらも変化し、刺激に耐えながら再び本来の形を取り戻そうとする物体を。

「でも稀に、スパッと切れちゃったり、ぽっかり穴があいたりしちゃったらさ、それはたぶんなかなか治んないんだよネ」

切れたり、穴が空いたり。確かにそれは再生するのは難しそうだ。いや、再生は不可能ではないのだろうか。

「それで治らないまま大きくなったらさ、そのまま硬くなって、固まって。もう元には戻んねーの。そうやって、人の人格とか心ってできてると思うのネ」

固まってしまったら、もう形状を変化させるのは無理であろう。コンクリートのように、強固なモノになるのだから。

「俺も、ナマエちゃんも。なんなら他の人も。大なり小なり、そんな傷を持ってる。だからナマエちゃんの持ってるその、辛いこと。母ちゃんに対して負の感情を持っていても、仕方がないことなんだよ。それだけ傷ついたんだよ。そんでその傷は、一生治らない。気にならなくなったり、忘れることがあっても、治るわけじゃない。一生心の形ってのは、変わらない」

一生、という言葉を、こんなにも重く受け止めたのは、初めてだった。

「まあ、硬くなった心がさ、ポッキリ折れちゃうことはあるんだろうけど」
「……それは、死を意味してる?」
「いんやー。そうなってしまったら、心の病気になるんじゃないかな」
「そっか。ならそれも治らないの?」
「治るというか、折れちゃても傷とか穴とかがあっても。それ自体が治らなくても、それを他のモノで補強、補充することはできるよネ」

その発想はなかった。確かに元に戻らなくても、治すことのできるモノというのはたくさんありそうだ。

「だからさ、俺はナマエちゃんのそんな存在になりたいわけ」

そんな、存在。

「そんな存在、……とは?」
「傷とか穴とかをさ、埋めてあげられる存在」

私の傷、穴を埋めたいと言ってくれる覚くん。その言葉を私は受け取った。眼差しから、彼のまとう空気から、覚くんの存在全てから、それを受け取った。するとどこからともなく様々な、名付けようのない感情が込み上がり、私を満たした。

「それは、ちょっと……」

満たされ、次には溺れ、言葉に詰まってしまった。その私の反応に覚くんは「チョッと待って!?」と声を大きくして心底驚いた顔をする。

「もしかして引いた!? ドン引き!? 確かにクサイこと言っちゃったって自覚はあるよ!?」
「……いや、そういうことじゃなくて。……だって、覚くんはもうそういう存在で、あるし、」

それ以上言葉が続かなかった。満たされ、溺れ、最後には溢れ出た。涙が止めどなく流れて、声が出なくなってしまったのだ。
覚くんは何も言わなかった。何も言わずに椅子から立ち上がり、私のすぐ横まで来たかと思うと腕を引かれた。そちらへ滲む視界を向けると同時、強い、少し乱暴なくらいの力で腕を更に引かれて身体が動いた。そして、身体が浮く。吸い込んだ息全てに、覚くんの香りがした。
他人に許されるという行為が、こんなにも安心するものだと、私は知らなかった。
安心とは何の心配事なく、不安なく、身体を預けて泣いていられることだと、私は思い出した。

覚くんは恋人にするような抱き方ではなく、泣く幼子をあやすように、私が泣き止むまで抱いていてくれた。


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気付けば外はすっかりと日が落ちていて、部屋の中は薄暗がりとなっていた。
二人でフローリングに横たわり、私は覚くんの胸にしがみついている。そんな私を覚くんは、身体へ両腕を絡み付けるようにして抱き寄せてくれていた。

「勉強、大丈夫?」

覚くんは瞬発力よくカラリとした笑い声を上げて、「今それ言う?」と更に笑い声を上げた。

「ナマエちゃんてさ、想像力が足りないよね」
「……そう? 初めて言われた」

覚くんは私に絡めていた腕を解き、パタンと仰向けになった。私は覚くんの胸に頭を乗せたまま、変わらない姿勢で想像力について考える。

「例えばさーあ。俺が同じ大学に入学できたらどうしよ! なにしよーかな!? とかさ」
「そうなったら、……大学で会えるね」
「ソーネ!」

高校生の時のように過ごすのだろうか。けれど場所も状況も違うのだ。高校生の時とは違った過ごし方をするのだろうか。自分の過ごす大学生活に覚くんを当てはめてみる。それはなんだかとても、不思議な感覚だ。けれど経験したことのないことを想像するというのは、難しい。
そうやって頭を悩ませていると覚くんが、アレしてみたい。コレしてみたい。こんなことも出来るかもね、と私に気付かせてくれる。それになるほどなと納得しつつ、これが想像力が乏しいということかと理解した。

「あとはさ、二人でどっか遠くの地で暮らすとか」
「……それは、ずいぶん飛躍したね」
「駆け落ちヨ? かーけーおーち!」

駆け落ちか。正直ピンと来ていないが、想像する。

「まずどの土地に住むかで状況が変わってくるよね」
「だネー。なるだけ物価が安くて職もあるところがいいよねぇ」
「私たちの年代の平均年収っていくらなのかな」
「お、イイネ! のってきたね!」

それからどんな気候の場所で、どんな仕事をして、どんな日常生活をするのか想像して話した。すると不意に覚くんが「海の見える場所に小さい白い家を建てて、でっかい犬を飼う」なんて具体的なことをぽんと口にした。なぜ突発的にそんなイメージができるのかと驚くと、覚くんはただ笑って胸を揺らした。からかわれたのだろうか。

カーテンの隙間から月の光が入り込んでいる。部屋の中はすっかりと闇に包まれていたが、眼はそれに慣れていた。それが見通しのつかない、いくつもの枝分かれした未来を見ているようで、なんだか胸が踊った。想像するということは、楽しい。ありもしない未来だと見限ることなく、ひとつの可能性として視野に入れる。それだけで希望が増える。きっと私の、私と覚くんの未来は星の数ほど可能性がある。覚くんはそんなことまでも私に与えてくれる。私はいつも、もらってばかりだ。

「私、覚くんと対等でありたい」
「え?」

対等じゃん? と首をかしげられるが、とても対等だとは思えない。

「対等じゃないよ。私はもらってばかりいるよ」

頭をあずけている覚くんの胸板が大きく揺れた。はははと笑い声を響かせ、あまりに大きな振動に私は上半身を起こす。そして寝転んだ覚くんを見下ろすと、彼は笑いながら泣いているように見えた。

「そんなん今更だって、ナマエちゃん」
「今更? 今更遅いってこと?」

私の疑問に、覚くんは違う違うと手のひらをぱたぱたと扇いだ。

「ナマエちゃんさ、俺と初めて話したとき、なんて話したか覚えてる?」

覚くんとの最初の記憶。小学生の時、同じクラスになって、隣の席になって。それから……。

「……消しゴム貸して?」
「んー! おしい!」

これが違うならもう、「はじめまして、こんにちは」こんな言葉しか思い浮かばない。そう素直に伝えると、覚くんは、まあ、そんな感じと曖昧に肯定した。

「え、正解はなに?」
「気になる?」
「うん。気になる」
「それなら教えちゃう!」

そう言って目を細め、口角をつり上げた覚くんはたっぷりの間を挟み、とても丁寧に言葉を発した。

「覚くん、よろしくね。ダヨ!」

なんと言えばいいのだろう。特別でも何でもない、普通の挨拶。誰しもがそう思うのではないだろうか。だってよろしくねって、誰でも言うでしょ?

「誰でもそんくらい言うでしょ? って思ってるデショ」
「あ、……うん」
「そうかもねー。そうかもしんないけど、俺はね、ナマエちゃんに名前を呼んでもらったあの日からさ、相当埋めてもらってんのヨ」

仰向けに寝ていた覚くんが不意に上半身を起こし、ぎゅっと強い力で私を抱き寄せた。

「俺さ、ずっとナマエちゃんの楽園になりたかったんだ」
「楽園?」
「ウン。休める場所。元気をもらえる場所。弱音を吐き出せる場所。そんな場所になりたかったんだ」

それこそ、そんなの今更ではないか。

「俺はさ、もう全部埋まってんの。埋めてもらったのヨ。ナマエちゃんと、いろんな人たちに。だから今度は俺がしてあげる番なの。そんでさ、他の人が理解できなくても、俺とナマエちゃんだけが理解できればそれでいい。そんな世界を創りたいネって、思ってんだ」

覚くんの世界は広大だ。広大で、そこにいるのは当たり前に私だけではない。たくさんの人がいて、それでも尚、その世界は覚くんのものだ。
“二人の歩く道が緩やかに曲がり、いつか交差する”
そんな時がくるのだろうか。私の世界と覚くんの世界が交わる時が。それを想像する。想像して想像して、思考をやめてはいけない。そしてそのイメージの方へ進む。そうやって歩んでいくしかないんだ。

「覚くん。私もね、もうずいぶんとたくさん埋めてもらってるよ。だからね、覚くんは覚くんのやりたいことをやっていいんだよ。私もちゃんと考えるから。ちゃんと、覚くんがいる方へ行くから」

私たちは、いずれ世界に二人になるのかもしれない。例えば、ひとつ屋根の下に一緒に暮らす。生活をともにして、価値観を共有して、互いを許して、そうやって溶けるようにして、混ざり合って、世界が触れ合う。
でもそれは今じゃなくていい。いつかでいい。今は私の、覚くんの世界を創る時。でもその時はやっぱり覚くんがいて欲しいし、私もそこにいたい。それでいて、いつも互いに埋め合える関係でいたい。

「惑星だっていずれ直列するんだから、私と覚くんの世界が交わるのはもっと早いよね」

なんで惑星? と可笑しそうに声を弾ませた覚くん。星の数ほど可能性があると思ったけれど、私からすれば覚くんの世界はそれほど遠いものと実感してしまったから。
世界に二人でいい、二人がいい。その願いは変わらない。変わらないけれど、それが二人の世界でなければいけない。考え方や理想が違っても、同じ方向を、同じ世界を向いていないといけない。それが二人の世界になるように。

「覚くん、」

ずっと一緒に、と言葉にするのは何か違う。そうあれるように、とは思うけれど、それを言葉にするのは違う。どちらかと言うと「ありがとう」だろうか。
小学生の時、私に新しい世界を教えてくれて、ありがとう。高校で私を見つけてくれて、ありがとう。好きになってくれてありがとう。受け入れてくれてありがとう。許してくれてありがとう。
「ん?」と私の言葉を待ってくれている覚くん。そんな覚くんに「ありがとう」を考えたら、きりがなかった。「ありがとう」ではとても言い表せないと思った。そんな込み上げる感情を言い表す言葉を、私は知っている。きっとこういう時に「愛」のつく言葉を使うんだ。けれどそれの受けとり方に戸惑いがある私が使っていいのか。そう、悩む時点で答えは出ているのではないか。だから別の二文字に全てを込めることにした。

すき。それだけでも伝わって

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