広い広い空。
どこまでも果てなく広がる空。
時折、その果てまで飛んでいきたいと思う。
『ってこと、ありませんか?』
「や、ないな」
『がーん』
がっくりと項垂れる小松。
トリコはくわえた煙草に火を点けると、芝生に寝転がった。
「なんだ、急に」
『いえ、突然そう思いまして』
小松もトリコの横に寝転がると、静かに目をつむった。
『気持ちいいですね、風』
「そうだな…」
暫く沈黙が続く。
先に沈黙を破ったのは勿論小松だった。
『あ、ベーコンの葉、生えてますよ』
「おおっ!?飯か?」
『さっき食べたばかりですよね…?』
「関係ねーよ!食うぞ!」
いつの間にか煙草は吸い尽くされ、トリコは飛び起きてベーコンの葉へと向かっていった。
『本当に食い意地がはってるんだから…トリコさんってば…』
「…そうだ、小松」
『はい?』
「空、綺麗だな」
トリコから放たれた言葉に思わず固まる。
まさかトリコがそんなことを言うとは思っていなかったからだ。
―小松は頬を少し緩ませると、トリコのもとへと駆けていった。
(ベーコンの葉、美味しいですか?)
(んー、…イマイチだな)
(えぇっ!?)
―――――
ベーコンの葉登場しまくり(笑
トリコの食い意地は半端ないと思います
6.29
prev | next