02「後悔」

後悔






  ロイドが騎士の誓いを立ててから7年が経過した。

  7年前の、アリエスの悲劇が起きた後、ロイドは深く後悔した。
  なぜ、自分はその時お側にいれなかったのか、と。
  だが、その報告を聞いたとき、ロイドは本国から遠く離れたエリアにおり、戻ったときにはすでにルルーシュは日本へと送られてしまっていた。
  ロイド自身が日本へ向かおうにも、下手に動けばすわ開戦か、という時期だったので、ルルーシュの身の安全のためにも動きたくても動けなくて…。

  そして、日本との開戦。

  ロイドは開戦の報告を聞いて即座に日本へと向かったが、出遅れたためか戦中の動乱のせいでか、ルルーシュ達の行方は(よう)として知れなかった。
  そして ――― 殺された、との連絡………。

  ロイドは、何度後悔したことだろう。
  どうして自分はあの時側にいなかったのか、間に合わなかったのか、すぐに動けなかったのか、見つけれなかったのか……。
  “後悔は、後で悔やむから後悔という”
  ロイドほど、その言葉を苦く噛み締めている存在はいないだろう。

  7年前、後悔しても仕切れない程後悔した。
  ルルーシュとナナリー兄妹が日本で亡くなり、僅かなりの葬儀で2人がこの世にいた証は無くなった。
  だが、ロイドは諦めていない。
――― 諦められる訳がない。

  後にも先にも、ルルーシュ程仕えたいと願った存在はいないのだから……。

  だから、ロイドはまだ可能性を捨てていなかった。
  あの、誓いから7年。

  ロイドは、ルルーシュへの想いを胸に抱いたまま、エリア11 ―― かつての日本へと訪れた ―――――。
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