01 神の眠り
時は流れる。――― そして、繰り返す。
人類は幾度となく生まれ、滅びている。
それを繰り返しながら、時は流れていく。
…それは、神である者の身にも ―――――。
神の眠り
―― 皇歴1999年。
神は自ら地上に降りることを決めた。
このまま放置していれば、20年と持たずに世界が再び滅びることがわかっているからだ。
「…悲しみと怒りの連鎖が、世界を崩壊させる……」
神は、自らの精神を転生の輪に乗せ、ブリタニアの皇子として生まれるようにした。
ブリタニアは、世界の悲しみと憎しみの中心。
その未来を覆す為だけに、神は動くことを決めたのだ。
「…私はどうなってもいい。自らを犠牲にしてもいい。…この世から、この連鎖を一度でも完全に消し去ることが出来るのならば…」
そうして、神は眠りにつく。
その精神を転生させ、世界を平和へと導く為に……。
そして、彼の神とそっくり同じ色彩を持つ皇子が生まれる。
彼の神は、艶やかな黒髪に、澄んだアメジストの瞳を持っていた ―――――。
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