桓堆×祥瓊





「雪…。」



この国にも雪は降るのか、と勝手に驚いてしまった。
故郷にはとっくに降っていることだろうと思う。

掌に舞い降りた、白鳥の羽根にも似た雪を、ぎゅっと握った。

幼い頃暖かい雲海の上で過ごした自分にとって雪は、辛い記憶しか思い出させてはくれない。

嘗ての自分ならあの時の里家や月渓たちを恨むことしかしなかったろう。
ただ、今は…辛い峯の冬を少なくなってしまった峯の民が無事乗りきってくれることを祈った。



両肩を抱いて、ごめんなさい。と小さく呟いた。





「馬鹿者。風邪を引く。」
「!」


厚手の旗袍がいきなり肩に掛けられたかと思うと、強く…優しく抱き締められた。



「かん…たい…。」

「泣くなら"ここ"で泣け。」



温かい胸に押さえつけられた頬からは、ポタポタと涙が落ちる。



「しばらくしたら上に戻ろう。

主上に頼まれたものをお届けしないと…。」


催促とは取れない声音と、身体を包む優しい掌に、
もうしばらくは、親友兼国主のもとへは戻れないだろうと思いながら、祥瓊は流れる涙を桓堆の袍に滲ませるのだった。





こちらの雪解けは、そちらよりも早そうです。








もうわけわかんなくなっちゃったぜ☆











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