(千昭)←真琴






早朝。


吐き出す息が白くなって、大分経つ。



(アイツが居なくなって…もっと経つ。)



見上げた空は高く、澄んだ青。



足元を見ると、鮮やかな赤い落ち葉たちが、コンクリートの上で道を作っていた。




夏が過ぎてから…

彼がいた夏が過ぎてから、世界はとても美しく見えるようになった。


何もない未来に生きた彼の目には、
きっともっと…
私のこの目とは比べ物にならないほど…ずっと綺麗に見えていたことだろう。




屈んでつまみ上げた紅葉を空にかざすと、キッパリとした青と赤の色合いが美しく見えた。





なのに…





この美しい世界に君がいないと思うと、

君の愛したこの世界が、これ以上ないほどに霞んで見えた。





鼻の奥がツンとなったのはこの寒さのせいだけじゃないけど、この美しさが切なく見えてしまうのはきっと君のせい。





もし君がここにいたのなら、

私はきっと冷えきった鼻先を君の背に押し付けて、目に染みるほど青い空の下でこの赤い絨毯のひかれた並木道を


君とじゃれあいながら並んで歩いていたんだろうな。





そして世界は輝くんだ。




苦しいほど鮮やかに











時かけリハビリ中(笑)

ある種のウォーミングアップですね…げふんげふん









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