さあ、うたおう
ユキとキラその後
Trich or Treat 03

んで?
なんで?

「ジャックランタンなんじゃねえのかよ」

「いやあ、アキラさんは猫ですから」

「アあ? てめ、こら、ヤらせろよ」

「嫌ですよー」

ちょ。
マジムカツクんですけど。
何このクソガキ。

ぎりぎりと睨み付けると、また今度、ね? と子供をあやす様に言われて更にムカツク。
煎餅布団に縫い付けられた腕を外そうともがいても、余裕で微笑まれるだけ。
ムカツク。

「似合いますよ」

「今すぐ外せ」

「可愛いですよ?」

「外せっての」

「ニャーって鳴いてください」

だ!
れ!
が!

鳴くか!

「っう、あ、ぁ……」

ちょっ、お前、急に動くな。
繋がったままだった部分を急に引き抜かれて、油断していた口から甘ったるい声が漏れる。

「そう、啼いててくださいね」

「ヤ、っあ、アあっ……!」

足りなくなった部分に寂しさを感じる暇もなく、深雪の熱が奥まで迫ってくる。
何度もオレの中のイイ所を擦り上げられて、言葉の抵抗すらできなくなる。

卑怯だ。

「ン、っア、あ、……ああ、そ、こ! イっ! ッひ!」

揺さぶられるたびに、頭の上でぽむぽむと違和感。
違和感。

違和感。

超気になる。


ちょっと、ホントに、どうかしてるだろ。
つか、ネコ耳とか、こんなもん、どっから出してきたんだよ!
さっきまでなかっただろ?

メシ食って、風呂を浴びて、テレビを見ながらいちゃついて、なんとなくその気になって、セックス。
とんでもなく真っ当な流れでセックスに入ったのは良いとして。

若干の気恥ずかしさはあるものの、まあ、良しとして。


イタしてる最中に突然取り出された、ネコ耳。
ネコ耳……あり得ねえ!

「アキラ、さん、にゃーって、言って」

「ヤ、だね! っふ、あア、っン……ヤ、あ! あ゙! あ゙!」

戯けた事言ってんじゃねえっての。

ってか、ほんと。
ぽむぽむして集中できねえんだけど!

「恥ずかしい?」

「っ! っあ、ヤっ……アア!」

「きゅって締まりますよ」

「んっ、うそっ! ひ、ああ……ンっう」

ハズ、そりゃ、恥ずかしい、けど。
締まるとか……ああ、もう!

「へんっ! た……!」

気持ちイイ。

若いくせに。
こっちの様子を見ながら攻めてくる深雪は、確実に感じる所を狙ってくる。
ってか、スキなトコを完全に覚えられてるから、ムリ!

ぐちゅぐちゅと卑猥な音を鳴らす結合部。
犯されてんなあって思うと、体の奥がきゅうっと反応する。
内側全部が深雪に絡み付いてるような気がする。
ってか、中が全部気持ちイイ。
確かに締まってる、かも。

見上げれば、欲が滲んだ深雪の顔。
寒ぃってのに、うっすら汗ばんだ額。
唇の間から覗く歯列、その奥の、赤い色。
ちょっとイっちゃってる目つき。

ぞくぞく、する。

あ。
これ、あれだ、後ろでイけちゃうパターン。
キモチイイのが膨張して、ああ、爆発しそう。

「く! ユっき!」

イク。

ぎゅっと手首を握れば更に動きが激しくなって、高ぶりに導かれる。
イク。
イク。
ぎゅっと体に力が入る。

「にゃあ?」

「っ、ひ! ンん」

「にゃあ?」

「っ、ニャ」

イク!

「にゃ、ン、う、にゃっあああ、あ、あああ!」








「なあ、お前、フランケンとミイラとどっちがいいよ?」

仮装なんて生っちょろいこと言わずに、リアルにしてやるよ?
ああ、それとも

「ネコやるか?」



暫く、オレの怒りは収まりそうにねえ。




―Trich or Treat 終―


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