さあ、うたおう
ユーとサクその後
Trick or Treat 03

キスされた。

大人のキス。


「んっ、ゆっふ、……むちゅ……ン、ちゅ」

突然。

噛み付くような。
食べられちゃうような。
熱くて、深くて、エッチなキス。

さっきまでボクのなすがままだったユーくんの反撃。

器用で、いやらしい舌に口の中を愛撫されて、ぞわぞわと体が甘く痺れる。
気持ちいい。
くちゅくちゅという水音に、なんだか恥ずかしくなってくる。
やり返してやりたい、とは思うけど、でもとてもムリだ。

大人なユーくんには適わない。

「っん」

「サク……」

ちゅっと音をたてて離れたユーくんの唇が二人の唾液で濡れている。

形がよくて、赤い唇。
すごく、綺麗だ。

細められた目が少し潤んでて、ものすごく色っぽい。

ユーくんは大人で、凄く格好良い。

だけど、こういう時のユーくんは、綺麗だと思う。
普段の格好いいユーくんも好きだけど、綺麗なユーくんも、大好き。
ずっと好き。
子供のころから、ずっと、好き

ふっと、ユーくんが吐息を漏らした。
女の人とは違う。
だけど魅力的なエッチな顔に、ボクの喉がゴクリと鳴る。

「ユーくん、シたい」

「ん? そうだねえ……」

「ねー」

「絶食中、だからねえ」

困ったように笑ったユーくんが、するするとボクのパンツを寛げる。

慣れた手つき。
大人の余裕。

ちょっと、気に入らない。

負けじとユーくんのパンツから、緩く立ち上がったものを取り出した。
その熱にドキドキしてしまうのをぐっと堪える。
子供だって思われたくない。

「ユーくん、シたい」

「うん……そうだね、あと、5ヶ月……待とうね?」

「ヤダ」

シたい。

セックス、シてみたい。
もう、いいじゃん?
しようよ。

もう、ボクだって、十分大人だよ?

「イイコだから」

そんな、子ども扱い、しないで欲しいのに。

「卒業したら、シようね?」

牙を隠した狼は、にっこりとボクに笑いかける。


優しい狼。
大人な狼。
エッチな狼。


ねえ、ボク最近、ユーくんのエッチな夢ばっかり見るんだよ。
エッチに乱れたユーくんの夢。

5ヵ月後には見られるのかな?


一緒に絶頂を迎えたエッチな顔を見下ろしながら、ボクは密かにそれを願う。



―Trick or Treat 終―


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -