変態さんはお帰り下さい

ガタガタとうるさい音が聞こえる、誰だ人の安眠中に。
うっすらと目を開け横を見ると何やら人影が人のタンスの前でうごめいている、泥棒野郎。よくもオレの物を盗もうと思ったな吊るし上げてボコボコにしてやる
ベットから降りそろりそろりと近付く、泥棒は夢中になっているらしくこちらに気付いていない。
とんだ馬鹿だなこいつ
鼻で笑いながらいつでも殴れる姿勢に入る、がそこであることに気付いた
こいつ知ってるぞ、こいつは…
するとこちらの存在に気付いたらしく振り向いた

「あっファルコさん!目が覚めたんですね、おはようございます!」

こちらにとても良い笑顔を振り撒く、その笑顔であまりそういう事に免疫がない女性なら簡単に落ちてしまいそうな笑顔だったが、頭に何かを被っている。そう、パンツだ

「何被ってんだテメェエエ!」

遠慮のない全身を使った右ストレート、彼の身体は凄い音をたててタンスにめり込んだ

「朝から強烈ですねファルコさん…」
「うるせぇ今すぐ出ていけこの変態野郎!よくまぁ人のパンツ被っておいて本人の前でそんな笑顔になれるよなクール!」
「やだなぁ、本人の前だからですよ」「肝の座った野郎だ」

ため息を吐き電気を点けてベットに座る、タンスにめり込んでいる本人は少し嬉しそうに言うとよいしょとタンスから抜け出すとゆっくり近づいて来た。
一昔前キャットを通してこのクールと出会った
出会った初めはとても良く出来た青年で、心遣いや周りをよく見て行動する男で本当にこの族に入っているのかと謎めいたところもあった
そして、あまりにもスターフォックスに依頼が入らないもんだから遊びに行った時告られた。
今でも覚えている。
夕方の太陽が窓からクールを照らし、まっすぐにオレの目を見て

『ファルコさん、俺貴方を性的な目で見てます。貴方のパンツや私物を盗んだのも実は俺です。好きです、付き合っ』

最後まで言わせずその時は思いっ切りぶん殴った
なぁに人のもん勝手に盗んでんだゴラァアってな
今思えば軽率だった、殴ればショックを受けて大丈夫だろうとその時思ったが、クールは殴られた所を拭いながらちょっと幸せそうだった
それを見た瞬間、こいつヤバいと感じる前にオレは逃げ出した。

そんな過去を振り返ってみるとなんだか寒気がしてきた、そしてボソリと呟く

「ったく、ホラーかっての…」
「えっ?」

気付いたらクールが目の前にいる、相変わらず両頬を赤くして(殴った事もあるかも知れないが)まっすぐこちらを見ていた
あの時と同じように

「ファルコさん…?」

勘弁してくれ、オレはその目苦手なんだ
あの時はその場のノリで回避出来たものの今のオレはそんなスキルを生憎持ち合わせちゃいない
しばらくの間何度もコイツに会ってたせいか毒されちまったよーだ
ふいっと目を逸らすようあからさまに下を向く
だがその時に目を逸らしては駄目だった、今いる場所はベット。そのまま押し倒されてしまった

「ちょっおいっ!何やってんだテメェエエ!」
「あっやっぱりファルコさん照れてますね、どうしたんですか?」
「うっうるせぇっ黙れ!黙れぇえ!」

お前のせいだろ!と叫ぶと俺の?と自分を指指すと、少し考えてそしてまたニヤァと幸せそうに笑って腕を掴んできた

「へぇ〜ファルコさんが俺のせいで照れてるんですか〜」
「おい…?いや、う…嘘だよな…まさか本気でヤるとか…ないよな…?」
「これは結婚秒読みレベルですね」
「んなわけあるかぁああなんでそんな思考になんだ!?」
ぐぬぬと手足を動かしてなんとか退かそうと心みるが上にのしかかってくる重さには耐えられなかった クソッとやけくそ気味に吐き出すと何も言ってこないクールを不思議に思いちらりと見た
愛しい人を見るかのようにうっとりとした表情にファルコは見なきゃ良かったと思った。
顔を赤くするファルコを見てクールは言う

「ファルコさんもう終わりですか?」
「…違っ!」
「ふふふっ、さぁて今日のファルコさんのパンツは何色かなぁあ」
「ギャァアアアアアやっ止めろぉおおお!!」

ファルコの尋常じゃない叫びを聞いてメンバーが駆け付けて来るのは、それから10分後の事だった






―――――――――――――――
もう少しで落ちそうなのにクールの変態行為で落ちないファルコのお話でした。


[*prev] [next#]
[目次]
[しおりを挟む]



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -